2018年 北嶺中学校 算数(2)
今回は,「水そうに水を入れる問題」の大問3と,
正八面体に関係した立体図形の求積の大問4を取り上げます。
なお、問題は標準札幌校ホームページの北嶺中学過去入試問題からダウンロードできます。
大問3
(1) 面白さ☆ 難度A
グラフから,四角柱あの高さは6㎝で,容器いの高さは10㎝であることがわかります。
容器いの底面積は,2×2=4(㎠)なので,体積は,4×10=40(㎠)です。
答え 40㎠
(2) 面白さ☆ 難度A
グラフから,水面の高さが一定の,93-73=20(秒間)は,
注がれた水がすべて容器いを満水にするのに使われたことが,わかります。
したがって,注がれる水の量は毎秒,40÷20=2(㎤)です。
答え 2㎤
(3) 面白さ☆☆☆ 難度B
グラフから,6㎝の高さまで水が入るのに33秒かかり,
そこから,10-6=4(㎝)分の高さまで水が入るのに,
73-33=40(秒)かかることがわかります。
最初の33秒間で入る水量は,2×33=66(㎤)です。
よって,「水が入る部分の底面積」は,
(水そうの底面積)-(四角柱あの底面積)-(容器いの底面積)=66÷6=11(㎠)です。
また,次の40秒間で入る水量は,2×40=80(㎤)です。
よって,「水が入る部分の底面積」は,
(水そうの底面積)-(容器いの底面積)=80÷4=20(㎠)です。
したがって,(四角柱あの底面積)=20-11=9(㎠)です。
答え 9㎠
(4)と(5)は,(3)を正解できれば,難度Aの問題といえます。
計算ミスさえしなければ,ほぼ確実に正解できるはずです。
ただし,(3)を不正解だと,(4)と(5)もほぼ自動的に不正解になります。
(3)の正解・不正解で,総合点では小問3つ分の得点差が開いてしまうことになります。
そういう意味では,本年度入試の「合否を分けた1問」と言えるでしょう。
(4) 面白さ☆ 難度B
(3)の解説中にあるように,
(水そうの底面積)-(四角柱あの底面積)-(容器いの底面積)=11(㎠)なので,
(水そうの底面積)-9-4=11(㎠)となります。
したがって,(水そうの底面積)=11+9+4=24(㎠)です。
答え 24㎠
(5) 面白さ☆ 難度B
水そうの底面から10㎝より上の部分に入る水量は,24×(12-10)=48(㎤)なので,
この部分に水を入れるのにかかる時間は,48÷2=24(秒)です。
したがって,水そうが満杯になるのは,水を注ぎ始めてから,93+24=117(秒後)です。
答え 117秒後
大問4
(1) 面白さ☆ 難度A
次の(2)を解くためのヒントとして,出題されています。
三角形AIJは等しい辺の長さが,6÷2=3(㎝)の直角二等辺三角形なので,
その面積は,3×3÷2=4.5(㎠)です。
答え 4.5㎠
(2) 面白さ☆ 難度A
図2の三角形AIJは,図1の三角形AIJと合同な三角形なので,その面積は4.5㎠です。
三角形AIJを底面としたときの三角柱AIJ-KLMの高さは,KA=6÷2=3(㎝)なので,
三角柱の体積は,4.5×3=13.5(㎤)です。
答え 13.5㎤
(3) 面白さ☆☆☆☆ 難度B
(2)がこの問題の導入になっています。
図5の正八面体は,図2の三角すいE-ABDと合同な三角すい8個から成り立っています。
そして,図5の正八面体の8本の辺のまん中を線で結んでできる立体は,
図2の三角柱AIJ-KLMと合同な三角すい8個から成り立っています。
このことは,図5の正八面体の上半分だけを取り出して4等分したものに,
図2と同じ頂点の記号をつけた次の図を見ると理解できるはずです。
(2)から,三角柱AIJ-KLMの体積が13.5㎤であることがわかっているので,
求める立体の体積は,13.5×8=108(㎤)です。
答え 108㎤
(4) 面白さ☆ 難度B
1辺の長さが12㎝の立方体の体積は,12×12×12=1728(㎤)なので,
(3)で求めた立体の体積の1728÷108=16(倍)です。
答え 16倍