2017年 立命館慶祥中学校 算数(1)
立命館慶祥中学校の入試は,
算数100点・国語100点・理科75点・社会75点の350点満点です。
2017年度入試での合格ラインは,
一般が181点(得点率51.7%),セミナー・個性が162点(同46.3%)でした。
また,SPコースの認定ラインは,
一般が268点(得点率76.6%),セミナー・個性が248点(得点率70.9%)でした。
合格ラインでは19点,SPコース認定ラインでは20点の差が設けられており,
セミナー・個性受験者には有利な受験になっています。
全入試区分を合わせての実質倍率(受験者数/合格者数)は1.52倍(昨年度は1.49倍)ですが,
SPコースに限ると倍率は4.95倍(同4.35倍)になり,道内の中学入試では最高倍率です。
SPコースの男女別の実質倍率は,男子が6.13倍(同6.91倍),女子が4.30倍(同3.35倍)となっています。
入試区分ごとの算数の得点状況は以下のようになっています。
受験者平均は,一般が50.6点(昨年度は39.4点),
セミナー・個性が49.0点(同38.2点),
合格者平均は,一般が63.3点(同53.1点),
セミナー・個性が57.1点(同45.9点)でした。
SPコース認定者だけの平均点は,
一般が90.8点(同76.0点),
セミナー・個性が79.0点(同70.9点)となっており,
セミナー認定者の高得点が目立っています。
全区分で,2016年度にくらべて平均点が約10点上昇して,問題が易しくなりました。
2015年度以降,算数の出題では,以前のような明らかな易問が減少しています。
2017年度入試が前年度にくらべてかなり易化したため,
2018年度入試では若干の難化が予想されます。
立命館慶祥中学校の算数の入試は,時間的にそれほど忙しい問題構成ではないので,
問題文を精読し確実に正解を出す処理能力が求められます。
日頃からかなり難しい問題にも積極的に取り組み,
ねばって自力で正解にたどりつく訓練が欠かせません。
また,できなかった問題については,
やり直しの段階できちんと立式し,ていねいな図をかくことを心がけましょう。
2017度の出題内容は,次の通りです。
大問Ⅰ
〔1〕基礎的な計算問題3問
〔2〕空所補充型の計算問題2問
大問Ⅱ
〔1〕約数と倍数
〔2〕数の性質(平均点)
〔3〕数の性質(数列の和)
〔4〕割合(相当算)
〔5〕速さ(旅人算)
大問Ⅲ
〔1〕平面図形(角度)
〔2〕平面図形(角度)
〔3〕平面図形(面積)
〔4〕立体図形2問(立方体の積み上げ)
大問Ⅳ 平面図形の移動(グラフの読み取り)
大問Ⅴ 自転車の進み方(歯車の歯の数と回転数の関係)
今回は,大問Ⅱを取り上げて解説します。
〔1〕
面白さ☆ 難度A
ある整数の約数を求めるときは,
かけ合わせてその整数自身になる数の組を書き出すのが基本です。
かけ合わせて240になる整数の組は,
(1,240),(2,120),(3,80),(4,60),(5,48),
(6,40),(8,30),(10,24),(12,20),(15,16)の10組あるので,
240の約数は全部で,2×10=20(個)あります。
これらの約数を大きいものから順に並べると,
240,120,80,60,48,・・・となるので,
240の約数のうちで5番目に大きい数は,48とわかります。
答え 48
〔2〕
面白さ☆ 難度A
平均点が最も低くなるのは,
5回の得点が,85点,64点,63点,62点,61点のときで,
このときの平均点は,(85+64+63+62+61)÷5=67(点)です。
平均点が最も高くなるのは,
5回の得点が,85点,84点,83点,82点,61点のときで,
このときの平均点は,(85+84+83+82+61)÷5=79(点)です。
したがって,5回の平均点は,67点以上79点以下になります。
答え 67点以上79点以下
〔3〕
面白さ☆☆ 難度A
1から10までの整数の和が55であることは頭に入っているはずです。
11以降は,全体の和が108より大きくなるまで,順に整数を加えていきます。
55+11=66,66+12=78,78+13=91,91+14=105,105+15=120より,
和が初めて108より大きくなるのは,15番目までの数を加えたときであることがわかります。
答え 15番目
〔4〕
面白さ☆☆ 難度A
典型的な逆比の問題です。
2人が使った金額は,
タツオ君がはじめの所持金の,1-2/3=1/3,
ケイコさんがはじめの所持金の,1-2/5=3/5になります。
タツオ君のはじめの所持金の1/3と,ケイコさんのはじめの所持金の3/5が等しいので,
2人のはじめの所持金の比は,3/1:5/3=9:5だとわかります。
この差の,9-5=4が600円にあたるので,1が,600÷4=150円にあたります。
2人が使った金額は,9×1/3=3ずつなので,150×3=450(円)ずつになります。
答え 450円
〔5〕
面白さ☆☆ 難度B
速さの単元では,頻出の問題です。
「出発してから2回目に2人が出会うまでの時間」が,
「出発してから2人が初めて出会うまでの時間」の3倍になることを,
よく確認して理解しておきましょう。
2回目に2人が出会うのは,出発してから,15×3=45(分後)になります。
この間にケイコさんは,5.1+2.1=7.2(㎞)進んでいるので,
ケイコさんの進む速さは,1000×7.2÷45=160(m/分)になります。
答え 毎分160m
下のようなダイヤグラムを考えます。
「出発してから2人が初めて出会うまでに,2人が進んだ道のりの合計」は,
(PQ間の道のり)×1になっています。
一方,「出発してから2人が2回目に出会うまでに,2人が進んだ道のりの合計」は,
(PQ間の道のり)×3になっています。
したがって,「出発してから2回目に2人が出会うまでの時間」は,
「出発してから2人が初めて出会うまでの時間」の3倍になります。