2018年 北嶺中学校 算数(1)

本年度入試では,昨年度の100点満点から120点満点へと,配点が変更になりました。

制限時間は60分で,変更はありません。

出題形式も従来通りで,大問は5問でした。

このうち,大問1は計算問題,大問2は単問形式の小問が5題でした。

また,小問総数は昨年から3問増えて23問でした。

受験者平均は,83.0点(得点率69.2%,2017年62.6%,2016年53.4%,2015年43.9%),

合格者平均は,94.0点(得点率78.3%,2017年68.6%,2016年65.5%,2015年58.3%),

最高点は120点(2016年100点,2015年88点)でした。

出題分野別では,大問5で,北嶺中学校の入試としては目新しい

「フローチャート」の問題が出題されました。

それ以外の問題は,北嶺中学校の入試としては平均的な難度でした。

2018年度の出題内容は,次の通りです。

大問1 計算問題4問

大問2

(1)和差算(平均と和,差との関係)

(2)平面図形の求積

(3)数の性質(公約数)

(4)分数の性質

(5)数の性質(数列)

大問3 水そうに水を入れる問題(水面の変化のグラフを読み取る問題)

大問4 立体図形(正八面体に関する求積問題)

大問5 フローチャート

 

今回は,大問1と大問2を取り上げます。


大問1

(1) 面白さ☆ 難度A

654321÷1234 = 530 あまり301

答え 15

(2) 面白さ☆☆ 難度A

496÷2=248なので,これよりあとの割り算の商は順に半分ずつになり,

496÷4=124,496÷8=62,496÷16=31となります。

このとき,496÷16=31から,496÷31=16であることがわかります。

先ほどと同様に,これよりあとの割り算の商は順に半分ずつになり,

496÷62=8,496÷124=4,496÷248=2,496÷496=1となります。

したがって,計算の答えは次のように」求められます。

248+124+62+31+16+8+4+2+1 = 496

答え 496

(3) 面白さ☆  難度A

些細なことですが,それぞれの割り算の順序を入れかえて計算しやすいようにすることで,

時間短縮かつ正答率アップにつながります。

6÷4÷2+72÷48÷12-57÷5÷19

=(6÷2)÷4+(72÷12)÷48-(57÷19)÷5

=(3/4)+(1/8)-(3/5)

=(30/40)+(5/40)-(24/40)

=11/40

答え 11/40(40分の11),または0.275

(4) 面白さ☆ 難度B

まず,中括弧{ }の中を計算します。

6+5×5÷(6+7)

=6+(25/13)

=103/13

次に,大括弧[ ]の中を計算します。

6+3×3÷(103/13)

=6+9×(13/103)

=6+(117/103)

=735/103

最後に,式全体の答えを求めて四捨五入します。

3+1×1÷(735/103)

=3+(103/735)

≒3+0.14

≒3.14

答え 3.14


大問2

(1) 面白さ☆ 難度A

難しくはないですが,ミスをしないように落ち着いて,所持金の関係を式に表しましょう。

A+B+C=7250×3=21750(円)・・・式①

B+C+D=6100×3=18300(円)・・・式②

A+D=16250(円)・・・式③

ここで,式①と式②から,AとDの所持金の差がわかります。

A-D=(式①)-(式②)

=(A+B+C)-(B+C+D)

=21750-18300

=3450(円)・・・式④

式③と式④から,A,Dの所持金の和と差がわかりました。

あとは,和差算の公式通りです。

A=(16250+3450)÷2

=9850(円)

答え 9850円

(2) 面白さ☆ 難度A

図のように,正方形ABCDをかくと,正方形ABCDの1辺の長さは円の半径と等しい4㎝になります。

このとき,おうぎ形BACとおうぎ形DACの重なった部分の面積は,

4×4×3.14÷4×2-4×4=9.12(㎠)なので,

正方形ABCDの内部で色のついた部分の面積は,

4×4÷2-9.12÷2=3.44(㎠)です。

したがって,色のついた部分全体の面積は,

3.44×4=13.76(㎠)です。

答え 13.76(㎠)

(3) 面白さ☆ 難度A

1班の人数は,中学生の人数と高校生の人数の最大公約数になるので,

それぞれの人数を1班の人数で割れば,班の数が求められます。

ただし,ここでは,例において,12:15=4:5のように,

中学生の人数と高校生の人数を最も簡単な整数の比に直せば,

比の数字が,それぞれの班の数になることを利用する方が処理が簡単になります。

(中学生の人数):(高校生の人数)

=286:598

=143:299

ここから,143=11×13と素因数分解できることを利用して,

299が11または13で割り切れるかどうかを確かめる作業が欠かせません。

すると,299÷13=23と割り切れることがわかるので,先ほどの比は,143:299=11:23と簡単になります。

したがって,班の数は,中学生が11班,高校生が23班です。

答え 中学生 11班,高校生 23班

(4) 面白さ☆ 難度A

『5/9と等しい分数は,(分子):(分母)=5:9である』というように,

「分数は比を表す」という考え方が大切になります。

5/9=9/□と考えると,5:9=9:□より,

5×□=9×9=81,

□=81÷5=16.2

同様に,5/8=9/□と考えると,5:8=9:□より,

5×□=8×9=72,

□=72÷5=14.4

となります。

したがって,□は14.4より大きく,16.2より小さい整数となり,

□=15と16があてはまります。

9/15と9/16のうち,約分できない分数は9/16だけなので,□=16が正解です。

答え 16

(5) 面白さ☆ 難度A

1けたの整数は9個あるので,1けたの整数を並べると,9番目まで並びます。

ここから,2けたの整数を並べていくので,

(105-9)÷2=48より,2けたの整数の中で,

小さい方から数えて48番目の整数の一の位の数が,105番目の数字になります。

2けたの整数の中で,小さい方から数えて48番目の整数は,9+48=57なので,7が正解です。

答え 7

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