2022年 立命館慶祥中学校(SP) 算数(2)
2022年度 立命館慶祥中学校 SP入試 算数 分析と解説 (大問III~IV)
◎大問III
立命館慶祥中学校が好んで出題している、グラフの読み取りと作図と含んだ問題です。
時間と速さの分野からの出題は、2020年(時計算)、2021年(旅人算)に続き、三年連続となります。
いずれの年も、提示されているグラフは単純なダイヤグラムではないので、グラフが何を示しているのかを正確に読み取る能力が要求されます。
国語の大問II、IVや社会の問題でもグラフの読み取りは毎年登場しています。立命館慶祥中学校を受験しようと考えている人は、必ずおさえておくべき分野でしょう。
[1]
リード文を読んで、「グラフのどの部分で何をしていたか」を考えていきます。
PからQまでは分速80m、QからRまでは分速90m、RからSまでは分速60mで歩きます。
また、7分後から右にある分速0mは、Qで1分間休んだ部分です。これより、Qを出発するのは8分後になります。
QからRは360m離れているので、360÷90=4(分間)かかります。
よって、AさんがRに到着した時間「ア」は8+4=12(分後)です。
次に、PSの距離を求めましょう。
PQは80×7=560(m)、QRは360m、RSは60×(20-12)=480(m)なので、PSは560+360+480=1400(m)です。
\(\underline{\rm{答. ア\cdots12、PS\cdots1400m}}\)
[2]
普段からきちんと作図する練習をしていれば、難しい問題ではありません。
グラフの横軸と縦軸の数字を間違わないよう、注意して書きこみましょう。
[3]
SP入試らしい、やや複雑な条件整理を求められる問題です。
(1)
Bさんの移動を整理します。
問題文より、BさんはPS間を1往復半、つまり1400×3=4200m移動しています。
また、8分後にQ地点でAさんとはじめて出会い、20分後にP地点に到着したとあります。QS間の距離は360+480=840(m)なので、Bさんは12分間で4200-840=3360(m)移動したことになります。
よって、Bさんの分速は3360÷12=280(m)です。
\(\underline{\rm{答. 分速280m}}\)
(2)
BさんはQS間を840÷280=3(分)で移動します。
Q地点でAさんとBさんが出会ったのが8分後なので、BさんがS地点を出発したのはAさんが出発した8-3=5(分後)です。
\(\underline{\rm{答. 5分後}}\)
(3)
(1)と(2)で求めた情報から、Bさんの移動をグラフに書きこむと、次のようになります。
このグラフに、AさんとBさんの距離を表す線を書き加えていきましょう。
Aさんの速度が変わる点、Bさんが折り返す点、AさんとBさんが同じ場所にいる点の距離のみに着目すれば、簡単に書くことができます。
グラフ中、2人の距離が200mになった箇所は6回あります。
\(\underline{\rm{答. 6回}}\)
◎大問IV
問題文が、2人の登場人物による会話形式となる問題で、会話文の中から必要な情報を読みとる能力が要求されています。
この形式の大問からは2020年度(植木算、数列の複合)、2021年度(十干十二支)に引き続き、三年連続で規則性の問題が出題されました。
竹ひごを使って立体を作る問題は、2016年度の甲陽学院中、2021年度の六甲学院中など、難関校でもたびたび出題されています。
[1]
①
タツオさんの考え方は、「たてが10cmのときの本数に、どれだけ増えるかをたせば求めることができる」というものです。
たてが10cmのとき、竹ひごの本数は12本です。
たてが20cmになると、たてが4本、横が2本、高さが2本、あわせて8本の竹ひごが追加で必要になります。
この後もたてが10cm伸びるごとに、8本ずつ竹ひごが必要になっていくので、式は12+8×9です。
\(\underline{\rm{答. 12+8\times9=84}}\)
②
ケイコさんの考え方は、「立方体何個分になるかを考えてから、重なった分を引いて求める」というものです。
たてが100cmのとき、立方体は10個できます。
立方体1個あたりに必要な竹ひごは12本なので、10個だと12×10=120(個)です。
次に、ばらばらの立方体10個をつなげると、9か所重なる部分ができます。重なる部分1か所につき、辺は4本重なっています。
よって、式は120-4×9です。
\(\underline{\rm{答. 120-4\times9=84}}\)
※より速い解法 ([2]、[3]で利用できます)
植木算の考え方を応用することで、高速で解くことができます。
たて1m、横10cmの長方形を竹ひごで作るとき、たて1列に必要な竹ひごは10本、横1列に必要な竹ひごは1本です。
各列に存在するねん土玉の個数は竹ひごの本数より必ず1本だけ多い(ねん土玉が植木、竹ひごが植木と植木の間と考えます)ので、たてのねん土玉は11個、横のねん土玉は2個になります。
このとき、長方形に存在する竹ひごは、10×2+1×11=31本です。
たて1m、横10cm、高さ10cmの直方体も同じように考えます。
たて1列に必要な竹ひごは10本、横1列に必要な竹ひごは1本、高さ1列に必要な竹ひごは1本です。
また、たての列は2列、横の列は11列、高さの列は2列です。
よって、竹ひごの本数は10×2×2+11×1×2+11×2×1=84(本)です。
[2]
たて、横、高さの竹ひごとねん土玉の個数は次のようになります。
竹ひご | ねん土玉 | |
たて | 10本 | 11個 |
横 | 10本 | 11個 |
高さ | 1本 | 2個 |
よって、竹ひごの本数は10×11×2+11×10×2+11×11×1=561(本)です。
\(\underline{\rm{答. 561本}}\)
[3]
たて、横、高さの竹ひごとねん土玉の個数は次のようになります。
竹ひご | ねん土玉 | |
たて | 10本 | 11個 |
横 | 10本 | 11個 |
高さ | 10本 | 11個 |
よって、竹ひごの本数は10×11×11+11×10×11+11×11×10=3630(本)です。
\(\underline{\rm{答. 3630本}}\)