2022年 北嶺中学校 算数(3)

2022年度 北嶺中学校 算数 分析と解説 (大問4)

◎大問4

点の移動に関する問題です。

(1)から(3)は点Pだけの移動なので、各点あたりの面積を計算できれば対応できます。

(4)は2つの点P、Qの移動になります。ハイレベルな問題なので、入試本番では他の問題を優先しても良いでしょう。

 

 

 

はじめに、交点A~Iの各点に点Pがあるときの、三角形PXYの面積をそれぞれ求めておきましょう。

右図のように面積を求めることができます。

 

 

 

 

 

点Xが交点B、D、Eにいる時の面積はやや求め辛く感じますが、三角形FXYから三角形FXPと三角形FPYを取りのぞいた部分を計算します。

 

 

 

 

 

(1)

上の図より、三角形PXYの面積が最も大きくなるのは、点Pが交点Fと重なるときで、面積は6㎠です。

また、三角形PXYの面積が最も小さくなるのは、点Pが交点Bと重なるときで、面積は0.5㎠です。

 

\(\underline{\rm{答. \fbox{ア}\cdots F, \fbox{イ}\cdots 6, \fbox{ウ}\cdots B, \fbox{エ}\cdots0.5}}\)

 

 

(2)

上の図より、点Pが交点C、F、Gと重なるとき、三角形PXYの面積が3㎠よりも大きくなります。

この3点と重ならないような点Pの進み方は、X→A→B→D→E→H→I→Yしかありません。

よって、答えは「お」となります。

 

 

\(\underline{\rm{答. 「お」}}\)

 

 

(3)

最初に面積を求めた交点Hでの三角形PXYの面積が3㎠になるのはもちろんですが、交点Aと交点Cのように、2つの交点での三角形PXYの面積がそれぞれ3㎠以上と3㎠以下のとき、その間のどこかで三角形PXYの面積が3㎠となります。

ここから、三角形PXYの面積が3㎠となる位置は、右図にで示した部分となります。

点PがX→A→C→D→G→H→I→Yと進んだとき、このは全て通ることができるので、三角形PXYの面積が3㎠となる回数は最も多くて4回であるとわかります。

\(\underline{\rm{答. 4回}}\)

 

 

(4)

四角形PXQYは、三角形PXYと三角形QYXを合わせたものです。各交点における三角形PXYの面積はすでに求めているので、これに三角形QYXの面積を加えれば四角形PXQYの面積となります。

ここで、問題の長方形をよく見ていくと、対角線XYより上の部分と下の部分が合同な直角三角形になっていることがわかります。

つまり、三角形QYXの各交点における面積は、三角形PXYの各交点における面積と等しくなります。

これを示したものが右図で、赤字が三角形PXYの面積、緑字が三角形QYXの面積です。

(図中の⓪~⑦は、それぞれ点Xを出発してから各交点に点P、Qが到着するまでの時間を表しています)

 

点P、QがXを出発してから0、1、5、6、7秒後は全ての選択肢で同じなので、考える必要はありません。そこで、2、3、4秒後だけを考えていきます。

点P、QがXを出発してから2秒後の面積は7㎠です。このとき、点Qの行先は1通りしかないため、三角形QYXの面積は必ず3㎠となります。

よって、三角形PXYの面積は7-3=4(㎠)なので、このとき点Pは交点Cにあります。

このときの四角形PXQYは右の図の通りです。

点PはX→A→Cと進んでいることがわかるので、この時点で「え」と「お」は答えから省くことができます。

 

点P、QがXを出発してから3秒後の面積も7㎠です。このとき、点P、Qともに行き先が2通りあるため、場合分けして考える必要があります。

(i) 点Pが交点Fにあるとき、三角形PXYの面積は6㎠です。このとき、三角形QYXの面積が7-6=1(㎠)になる必要があります。

右の図のように点Qがあれば、三角形QYXの面積は1㎠となり、四角形PXQYの面積が7㎠となります。

 

 

 

(ii) 点Pが交点Dにあるとき、三角形PXYの面積は2.5㎠です。このとき、三角形QYXの面積が7-2.5=4.5(㎠)になる必要があります。

右の図のように点Qがあれば、三角形QYXの面積は4.5㎠となり、四角形PXQYの面積が7㎠となります。

 

 

 

以上より、Xを出発してから3秒後の点Pは交点F、Dのどちらにあっても四角形PXQYの面積が7㎠となります。

 

点P、QがXを出発してから4秒後の面積も7㎠です。このときもまた、点P、Qともに行先が2通りあるため、場合分けして考える必要があります。

(i) 点Pが交点Gにあるとき、三角形PXYの面積は4.5㎠です。このとき、三角形QYXの面積が7-4.5=2.5(㎠)になる必要があります。

右の図のように点Qがあれば、三角形QYXの面積は2.5㎠となり、四角形PXQYの面積が7㎠となります。

 

 

 

(ii) 点Pが交点Dにあるとき、三角形PXYの面積は1㎠です。このとき、三角形QXYの面積が7-1=6(㎠)になる必要があります。

右の図のように点Qがあれば、三角形QYXの面積は6㎠となり、四角形PXQYの面積が7㎠となります。

 

 

 

以上より、Xを出発してから4秒後の点Pは交点G、Eのどちらにあっても四角形PXQYの面積が7㎠となります。

 

よって、3秒後から5秒後までに点Pが進む可能性のある交点は、「C→F→G」、「C→D→G」、「C→D→E」の3通りあるため、答えは「あ」、「い」、「う」のいずれかとなります。

 

\(\underline{\rm{答. 「あ」、「い」、「う」のいずれか}}\)

 

 

点Xを出発してから2秒後、3秒後の四角形PXQYの面積が7㎠になるような点Pの進み方は、①で求めています。X→A→C→FとX→A→C→Dの2通りが考えられます。

点Xを出発してから4秒後の四角形PXQYの面積は3.5㎠です。

このとき、点Pが交点Gと重なると、三角形PXYの面積だけで4.5㎠となってしまうため、点Pは交点Gにはありません。

点Pが交点Eと重なると、三角形PXYの面積は1㎠です。このとき、三角形QYXの面積が3.5-1=2.5(㎠)になる必要があります。

右の図のように点Qがあれば、三角形QYXの面積は2.5㎠となり、四角形PXQYの面積が3.5㎠となります。

よって、4秒後の点Pは交点Eと重なっていることがわかります。

 

出発してから3秒後までの進み方がX→A→C→Fとなるとき、4秒後の点Pは必ず点Gと重なります。

これより、4秒後までの点Pの進み方はX→A→C→D→Eしかありません。

5秒後から7秒後までの点PはH→I→Yと進むことしかできないので、点Pの進み方はX→A→C→D→E→H→I→Yの1通りしかありません。

 

\(\underline{\rm{答. 1通り}}\)

 

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