2019年 北嶺中学校 理科(1)
大問1
(1)
一般的に、アブラナの開花時期は2月から5月ごろで、春に咲く花です。
選択肢の中で、春に咲く花はエのサクラです。
ちなみに、他の選択肢の植物については、以下の通りです。
ア コスモス 漢字では秋桜と書きます。開花時期は6月から11月ごろで、秋に咲く花です。
イ ヘチマ 開花時期は7月から10月ごろで、夏に咲く花です。
ウ ヒマワリ 開花時期は6月から10月ごろで、夏に咲く花です。
オ アサガオ 開花時期は7月から11月ごろで、夏に咲く花です。
(2)
問題文に「発芽においてどのような利点がありますか」とあるので、植物の発芽条件を考えましょう。
一般的に、植物の発芽条件は、「水」「空気(酸素)」「適当な温度」の3つです。
この3つに関係している選択肢は、
「ア 酸素が内部に入りやすくなる」と「エ 熱が内部まで伝わりやすくなる」との2つです。
種子の種皮は、内部を守るために固くできています。
この固い種皮に傷をつけて、発芽に必要な酸素が種子の内部に入りやすくなれば、
アサガオはより一層発芽しやすくなります。
一方、発芽条件における適当な温度は、
調理のように加熱して中まで火を通すことではありません。
よって、エよりアの方が適切な選択肢です。
おまけの知識です。
アサガオの硬くて厚い種皮は、硬実種皮といいます。
これでは水が吸いにくいので、種子に切れ目を入れて水を吸いやすくし、
発芽しやすくするのが「芽切り」の主な目的です。
しかし、この問題の選択肢には、水について書かれているものがありません。
よって、発芽に関係する他の選択肢を考えていくことになります。
(3)
平成23年の大問4(4)と、ほぼ同じ問題です。
心臓は、進化が進んだ生物ほど、複雑なつくりになっています。
アは両生類の心臓、イは鳥類・ホ乳類の心臓、ウは魚類の心臓、エは爬虫類(はちゅうるい)の心臓です。
よって、正解はアとなります。
(4)
文章が長くて混乱しそうなので、分かることをひとつずつ求めていきましょう。
魚の体重は1㎏(=1000g)で、体内にある血液の量は体重の6%と問題文に書いてあります。
よって、血液は1000×0.06=60(g)と分かります。
また、血液1mLの重さは1gと問題文に書いてあります。よって、魚の血液60gの体積は、60mLとなります。
これで、血液の量が60mLと分かりました。
さて、心臓1回の収縮で送られる血液は、1mLと書かれています。
60mLの血液が送り出されるのは、心臓が60回の収縮をしたときだとわかります。
水温が15℃のとき、1分間の収縮回数は60回です。
よって、60回の収縮があるのは1分=60秒です。
水温が20℃のとき、1分間の収縮回数は100回です。
60秒で100回の収縮をしているので、60回の収縮をするには60(秒)×=36(秒)かかります。
(5)
問題文に書いてあることと、前提の知識A~Eを確認しておきます。
A ヨウ素液はデンプンに反応し、青紫色になる。
B ベネジクト液(またはフェーリング液)は糖(ブドウ糖)に反応し、赤褐色の沈でんができる。
C デンプンは、セロハンを通り抜けられない。
D 糖(ブドウ糖)は、セロハンを通り抜けることができる。
※ セロハンは目の細かい網目状で、
粒の大きいデンプンは通れませんが、粒の小さい糖は通れます。
E デンプンは、消化液により、ブドウ糖に変えられる。
以上をもとに、問題を解いていきましょう。
①
まず、ふくろの中について考えます。
ふくろの中には、「デンプンと消化液」と「ブドウ糖」が入っています。
よって、このときヨウ素液とベネジクト液を加えると、ヨウ素液もベネジクト液も反応します。
時間が経過すると、デンプンは消化液によりブドウ糖になります。
よって、時間が経ったふくろの中には、「消化液」と「ブドウ糖」のみが入っています。
このときヨウ素液とベネジクト液を加えると、
デンプンがない → ヨウ素液は反応しない
ブドウ糖はある → ベネジクト液は反応する
という結果になります。
下の表について、赤で印をつけたところを見てみましょう。
a液の30分後と40分後は、反応がなくなっています。
これは、ふくろの中のデンプンが、全てブドウ糖に変わったため、
ヨウ素液が反応していないことを示しています。
よって、a液はヨウ素液と分かります。
②
まず、①より、エが正解と分かります。
また、a液がヨウ素液、b液がベネジクト液と判明しました。
前提知識があれば、もう1つの正解がイだと分かりますが、
前提知識がなくても表から正解が判断できます。
上の表の赤で印をつけたところを見てみましょう。
実験開始時の0分のときに反応がないのは、
ふくろの外の溶液には、もともとはブドウ糖がふくまれていないことを示しています。
10分から40分までは、ふくろの外であるにもかかわらず、ブドウ糖の反応があります。
このことから、ふくろの中から外にブドウ糖がもれ出したことが分かります。
一方で、下の表の緑で印をつけたところを見てみましょう。
ふくろの外に、デンプンの反応がまったくありません。
このことから、デンプンはセロハンのふくろを通り抜けられないことが分かります。