2016年 札幌日大中学校 算数(1)
今回は、札幌日大中学校の入試問題を取り上げます。
札幌日大中学校では、今年度の大学入試で、東京大学に2名の合格者を出しています。
2016年度では、北嶺中学校と立命館慶祥中学校の入試日が重なったため、
札幌日大中学校に、前年の約20%増の293名の出願者がありました。
札幌日大中学校には、「4教科入試型」と「総合学力入試型」の2つの入試区分があり、
それぞれの出願者数は、「4教科入試型」が253名、「総合学力入試型」が40名でした。
算数では例年、はば広い分野にわたって中難度までの問題が出題されます。
特に前半では、「一度は見たことがある」定番の問題がずらりと並びます。
後半では一部やや高度な出題も見られますが、全体を通して、
演習量を積んだ受験生にとっては取り組みやすい入試と言えます。
本年度の受験者平均は60.1点、最高点は97点でした。
2016度の出題内容は、次の通りです。
大問1 基礎的な計算問題5問
大問2 数の性質・比と割合・速さ・文章題の小問5問
大問3 平面図形の小問5問
大問4 数の性質(デジタル時計の表示に使われる棒の本数)
大問5 立体図形(立方体の切断・展開図)
今回は、大問1と大問2を取り上げます。
大問1の計算問題は、確実に全問正解することが求められます。
大問2の小問はすべて、公式的な解法のある定番問題です。
大問1
(1)
面白さ☆ 難度A
21×19+21×11
= 21×(19+11)
= 21×30
= 630
350÷7×2
= 50×2
= 100
630-100 = 530
答え 530
(2)
面白さ☆ 難度A
3/5 - 3/10
= 6/10 - 3/10
= 3/10
5/4 × 3 – 10 ÷ 11/10
= 5 × 3 × 10/4 × 10 × 11
= 15/44
答え 15/44
(3)
面白さ☆ 難度A
5/8 - 1/2
= 5/8 - 4/8
= 1/8
1/4 - 1/8
= 2/8 - 1/8
= 1/8
3.5 - 1/8
= 3.5 - 0.125
= 3.375
答え 3.375
(4)
面白さ☆ 難度A
(内項の積) = (外項の積) という比の性質を利用します。
□分□秒×3 = 2分57秒×2
□分□秒
= 2分57秒 × 2/3
= (3分-3秒) × 2/3
= 3分×2/3 - 3秒×2/3
= 2分 - 2秒
= 1分58秒
答え 1(分)58(秒)
(5)
面白さ☆☆ 難度B
全部の分数を通分するのではなく、要領よく、分数を2つずつの組にしていきましょう。
1/2 + 1/7
= 7/14 + 2/14
= 9/14
1/3 + 1/6
= 6/18 + 3/18
= 9/18
と考えると、
9/□
= 1/4 + 1/5
= 5/20 + 4/20
= 9/20
より、□=20
答え 20
大問2
(1)
面白さ☆☆ 難度A
まず、「10で割ると7余り、9で割ると6余る」いちばん小さい数を求めます。
(10と9の最小公倍数)-3 より、90-3=87 とわかります。
ここで、87÷12=7 あまり 3 より、正解は87とわかります。
「10で割ると7余る数」の1の位が7であることを利用して、
7、17、27、37、47、57、67、87 と書き出しても簡単に求められます。
答え 87
(2)
面白さ☆ 難度A
4回目までの合計点は、78×4=312(点)です。
5回目までの合計点が、80×5=400(点)になればよいので、
5回目は、400-312=88(点)とればよいことになります。
答え 88点
(3)
面白さ☆ 難度A
過不足算の典型的な問題です。
(人数)=(余りの本数+不足の本数)÷(1人分の本数の差) で求められます。
子どもの人数は、(9+15)÷(5-3)=12(人)です。
答え 12人
(4)
面白さ☆ 難度A
全体のページ数を1とすると、30ページが、
1/2 - 2/5 = 1/10 にあたります。
全体のページ数は、30÷1/10=300(ページ)です。
答え 300ページ
(5)
面白さ☆ 難度A
流水算の基本公式を確認しておきましょう。
(上りの速さ)=(静水での速さ)-(川の流れの速さ)
(下りの速さ)=(静水での速さ)+(川の流れの速さ)
上の2つの式から、
(静水での速さ)=(上りの速さ+下りの速さ)÷2
という式を導くことができます。
上りの速さは、60÷2=30(km/時)、
下りの速さは、60÷1.5=40(km/時)なので、
静水での速さは、(30+40)÷2=35(km/時)になります。
答え 毎時35km