2016年 立命館慶祥中学 理科(3)
今回は、大問Ⅳを解説します。
大問Ⅳ
〔1〕
面白さ☆ 難度A
ウシガエルは別名「食用ガエル」ともいわれ、北米原産です。
日本にはアメリカから食用として持ちこまれ、一時は繁殖・輸出も行われていました。
ウシガエルのえさとしてアメリカから輸入されたのがアメリカザリガニです。
アライグマは北米原産のほにゅう類で、
日本で野生化したものが農作物の食害などを引き起こし、問題となっています。
ブラックバスは北米原産の魚で、
スポーツフィッシングの対象として日本各地の湖沼に放流されたものが繁殖し、
在来種の魚を食べることが問題となっています。
ジャワマングースは東南アジア原産のほにゅう類で、
南西諸島などに生息する毒ヘビのハブを駆除するために持ちこまれました。
実際には、天然記念物のヤンバルクイナなど、貴重な固有種をおそって食べるため、
問題になっています。
エゾサンショウウオは、その名前の通り、日本の北海道原産の小型の両生類です。
答え カ
〔2〕
面白さ☆ 難度A
フジツボは、貝類ではなくエビ、カニなどと同じ甲かく類に分類されます。
幼生の間は海中を遊泳してえさをとりますが、
成体になると火山のような形の殻を作り、
波打ち際の岩に付着して固着生活(一つの場所から動かない生き方)を送ります。
よって条件③にあてはまりません。
答え オ
〔3〕
面白さ☆☆ 難度A
問題文の導入がていねいなので、それほど難しくはないはずです。
全個体数にしめる印をつけた固体数の割合は、
再び捕獲した個体数にしめる印をつけた個体数の割合と等しくなります。
よって、 N:P = Q:R となります。
答え ① Q ② R
〔4〕
面白さ☆ 難度A
N:P = Q:R より、
「(外項の積)=(内項の積)」から N×R = P×Q となります。
よって、 N = P×Q÷R となります。
答え P×Q÷R
〔5〕
面白さ☆ 難度A
〔4〕の式から、推定される個体数はそれぞれ、次のようになります。
1回目が、 100×200÷2 = 10000 、
2回目が、 300×400÷3 = 40000 。
答え 1回目 10000 2回目 40000
〔6〕
面白さ☆ 難度A
捕獲する個体数が少ないほど、実験による誤差が大きくなってしまいます。
答え (例)捕獲する個体数を増やす。
〔7〕
面白さ☆☆☆ 難度B
全個体数10000のうち、メスの個体数は5000です。
1個体あたり平均200個産卵するので、
ふ化するザリガニの個体数の合計は、
200×5000=1000000 になります。
生き残る割合は10%なので、
もともといたザリガニと合わせて、
1年後の個体数は、 (10000+1000000) × 0.1 = 101000 となります。
個体数は、1年でおよそ 101000÷10000 ≒ 10(倍) になるので、
2年後の個体数は、およそ 10×10 = 100(倍) になります。
答え イ
〔8〕
面白さ☆☆☆ 難度B
餌として食べられる以外に、
在来種が巣を作って子育てをする場所や、
産卵するのに適した場所を外来種にうばわれることが、
在来種の減少に拍車をかけています。
答え (例)在来種の住む場所がうばわれる。