2016年 立命館慶祥中学校 算数(3)
今回は、大問Ⅳと大問Ⅴを取り上げて解説します。
大問Ⅳ
水そうに水を入れていくときの時間と水面の高さ、
時間と水量の関係を示すグラフが示された問題です。
ほとんどの受験生が何度も解いたことがあるタイプの問題で、
本年度の大問の中では最も易しい問題でした。
SP合格を目指す受験生はぜひとも短時間で完答して、
最後にひかえる難問の大問Ⅴに取り組む時間をかせいでおきたいところです。
〔1〕
(1)
面白さ☆☆ 難度A
水を入れ始めてから3分後までと、
3分後から6分後までの水面上昇の速さはそれぞれ一定で、
3分後から6分後までの方が水面上昇の速さが速くなっています。
よって、ア~エの中ではエが適します。
答え エ
(2)
面白さ☆☆ 難度B
2本の管で2分間水を入れると、
1本の管で、2×2=4(分間) 水を入れるときと同じ水面の高さになります。
グラフでは、水を入れ始めてから3分後以降の水面上昇の速さは、
毎分 (30-6)÷(6-3) = 8(㎝) になっているので、
4分後の水面の高さは、6+8×(4-3) = 14(㎝) になります。
答え 14㎝
〔2〕
(1)
面白さ☆☆ 難度A
水を入れ始めてから0~5分、5~8分、8~20分の間に
水そうに入る水の量は、それぞれ毎分
15000÷5 = 3000(㎤)、
(42000-15000)÷(8-5) = 9000(㎤)、
(54000-42000)÷(20-8) = 1000(㎤)です。
1本の管から毎分1000㎤の水が入るとわかるので、
最初に開いていた管は、3000÷1000 = 3(本) とわかります。
答え 3本
(2)
面白さ☆ 難度A
(1)が解ければ、きわめて平易な問題です。
54000÷1000 = 54(分)
答え 54分
大問Ⅴ
短針が8時間で1周する『8時間時計』の問題ですが、
後半の〔3〕〔4〕はかなりの難問です。
本年度の算数の最高点は91点で満点者はいませんでした。
最終問題のため時間的に厳しいということもあって、
この2問の正答率はかなり低かったと思われます。
SP合格を目指す受験生は、大問全部を落とすことはどうしてもさけたいので、
前半の〔1〕〔2〕は何としても正解しておきたいところです。
〔1〕
面白さ☆☆☆ 難度A
図1で示された時刻から、4時間45分が経過しているので、
図2の示す時刻は、次の3つの時刻のいずれかになります。
午前3時 + 4時間45分 = 午前7時45分
午前11時 + 4時間45分 = 午後3時45分
午後7時 + 4時間45分 = 午後11時45分
問題文に「午前中のある時刻」とあるので、正解は午前7時45分になります。
答え 午前7時45分
〔2〕
面白さ☆☆☆ 難度B
この『8時間時計』では、
図1で示された時刻の3時間前、つまり午前0時、午前8時、午後4時には、
長針と短針がともに8の目盛りの位置にあります。
この時計では、
短針は1時間に 360÷8 = 45(度)、
長針は1分間に 360÷60 = 6(度) 動きます。
よって、
午後1時20分 - 午前8時 = 5時間20分 = 5+1/3時間
の間に、短針は8の目盛りの位置から、
45×(5+1/3) = 240(度) 動きます。
また、長針は20分間で8の目盛りの位置から、6×20=120(度)動きます。
よって、長針と短針とでできる角の大きさは、240-120=120(度)となります。
180度以下の角度なので、答えとして適しています。
答え 120度
〔3〕
面白さ☆☆☆☆☆ 難度C
『8時間時計』でもふつうの時計でも、
① 長針と短針が重なる。
② 長針と短針とでできる角のうち小さい方の角の大きさが120°になる。
③ 長針と短針とでできる角のうち小さい方の角の大きさが、②の反対側で120°になる。
① 長針と短針が重なる。
・・・・・・
のように考えると、①、②、③、①、・・・の各状態は、すべて等間かくで起こります。
図で表すと、次のようになります。
午前0時から午前8時までの8時間の間に、
①の状態になるのは、午前0時と午前8時をふくめて、8-1+1=8(回)あるので、
②と③の状態になることは合わせて、(8-1)×2=14(回)あります。
ここで、
「長針と短針は必ず1時間に1回重なる」から、
①の状態になるのは、午前0時と午前8時をふくめて、8+1=9(回)
とするまちがいが多いので、気をつけましょう。
この時計では1時間に、短針が45度、長針が360度動きます。
短針と長針が重なるのは、
360÷(360-45) = 360/315 = 8/7(時間) ごとなので、
8時間では、8÷8/7 = 7(回) 重なります。
よって、①の状態になるのは、
午前0時と午前8時をふくめて、7+1=8(回)あります。
同じようにして、
「ふつうの時計で1日に何回、長針と短針が重なるか」
を考えると、答えは「24回」ではなく、
(12-1)×2 = 22(回)になります。
答え 14回
〔4〕
面白さ☆☆☆☆ 難度C
短針が時刻の目盛りの3分の1だけ進んでいるので、
図3の時刻の分の位は、60×1/3 = 20(分) とわかります。
このとき、長針は8の目盛りから、6×20 = 120(度) 動いています。
8の目盛りと3の目盛りの間は、45×3 = 135(度) あるので、
図3で長針と短針の間にある2つの目盛りは、3と4であることがわかります。
よって、図3の示している時刻は、午前4時20分とわかります。
答え 午前4時20分