2016年 立命館慶祥中学校 算数(2)
今回は、大問Ⅲを取り上げて解説します。
例年、大問Ⅲでは図形関係の小問が計5題出題されています。
本年度の出題のうち、最初の4題は標準的な難度の問題でしたが、
最後の立体切断の問題は大変難しい問題でした。
大問Ⅲ
〔1〕
面白さ☆ 難度A
下の図のように、点D、E、Fを決めると、
四角形ABCDは平行四辺形となり、その面積は 9×8=72(㎠) になります。
ここから、三角形ADB、三角形BEC、三角形ACFの面積の和を引くと、
三角形ABCの面積が求められます。
三角形ADB = 1×8÷2 = 4(㎠) 、
三角形BEC = 8×6÷2 = 24(㎠) 、
三角形ACF = 9×2÷2 = 9(㎠) より、
三角形ABC = 72-(4+24+9) = 35(㎠) になります。
答え 35㎠
〔2〕
面白さ☆☆ 難度A
AEを折り目として折り曲げると、ADがABと重なることから、
三角形ADEと三角形ABEが合同であることがわかります。
よって、角BAC = 30°×2 = 60°
AD=ABより、角ADB = 角ABD = (180°-60°)÷2 = 60°
ED=EBより、角EDB = 角EBD = 100°-60° = 40° になります。
さらに、CDとBDが重なることから、CD=BDより、
角DCB = 角DBC = (180°-40°)÷2 = 70° なので、
角(ア) = 70°-40° = 30° になります。
答え 30度
〔3〕
面白さ☆ 難度A
下の図のように、街灯のてっぺんを点O、ケイコさんの頭のてっぺんを点Dとします。
分速60m=秒速1m なので、AB = 1×6.8 = 6.8(m) です。
三角形OACと三角形DBCは相似なので、
OA:AC = DB:BC = 5:(6.8+3.2) = 5:10 = 1:2
となるので、DB = 3.2÷2×1 = 1.6(m) になります。
よって、ケイコさんの身長は、1.6m = 160㎝ になります。
答え 160㎝
〔4〕
(1)
面白さ☆☆ 難度A
この立体の見取り図は、下の図のようになります。
図のように、点F、Gを決めると、
この立体は、五角形AECFGを底面として、高さが40㎝の五角柱になります。
五角形AECFGの面積は、20×20+20×40÷2=800(㎠) なので、
体積は、800×40=32000(㎤) になります。
答え 32000㎤
(2)
面白さ☆☆ 難度A
切り口の平面は、下図の斜線部のようになります。
図のように点Hを決めると、この立体はそれぞれ
三角形AEH、三角形ECF、三角形HFGを底面として、
高さがすべて40㎝の3つの三角柱に分けられます。
3つの三角柱のうち、もっとも体積が大きいのは、
三角形HFGを底面とする三角柱なので、
真横から見た図を利用して、三角形HFGの面積を求めます。
この立体を真横から見た図で、上のように点Iを決めます。
このとき、GH:HI = GF:AI = 40:20 = 2:1 より、
GFを底面としたときの三角形HGFの高さは、
40÷(2+1)×2 = 80/3(㎝) になります。
三角形HGFの面積は、40×80/3÷2 = 1600/3(㎠) なので、
三角形HFGを底面とする三角柱の体積は、
1600/3×40 = 64000/3(㎤) になります。
答え 64000/3(㎤)