2016年 北嶺中学校 算数(1)

本年度の入試は、試験時間が50分から60分に変更されて4年目になります。

例年通り大問は5問で、小問総数は20問(昨年度は19問)でした。

受験者平均点は53.4点(昨年度は43.9点)、

合格者平均点は65.5点(昨年度は58.3点)、

最高点は100点(昨年度は88点)で、

いずれも昨年度からかなり上昇しました。

大問4など明らかな易問もありましたが、

本年度から新設された大阪会場(受験者数211名)の成績上位層が高得点を取り、

平均点を押し上げたものと思われます。

極端な難問や奇問はありませんが、大問1の最後の計算問題が難しかったので、

ここで手間取ってしまって、あせりを感じた受験生も多かったのではないでしょうか。

本校の算数で最も合否に関係するのは、大問1の計算問題の正答率です。

ふだんのテストから、二度三度とくり返し検算する習慣をつけて、

確実に正解を出す訓練が欠かせません。

計算問題の解答に自信が持てれば、大問2以降の問題にも落ち着いて取り組むことができるはずです。

出題分野別では、大問3で数の性質と場合の数の複合問題が出題されました。

また昨年度に続いて立体図形の問題が出題されました。

難度が高い問題は、大問1の(4)、大問3の(3)、大問5の(2)、

易しい問題は、大問2の(1)、(3)、大問4でした。

それ以外の問題は、本校入試として平均的な難度の問題でした。

2016年度の出題内容は、次の通りです。

大問1

計算問題4問

大問2

(1)割合(損益算)

(2)数の性質(組み合わせ)

(3)速さ(列車の運行)

(4)数の性質(公約数の個数)

(5)平面図形の求積

大問3

数の性質と場合の数の複合問題

大問4

仕切りのある水そうに水を入れる問題

大問5

立体図形(直方体の切断・直方体の対角線が通る小立方体を考える問題)

今回は、大問1と大問2を取り上げます。

例年、大問1では四則計算が4題、大問2では数の性質・割合・図形などの小問が5題出題されます。

大問1の計算では、慎重さはもちろん、要所要所で計算の工夫を取り入れて、

要領よく正解にたどり着くことが肝心です。

なお、問題は標準札幌校ホームページ北嶺中学過去入試問題からダウンロードできます。


大問1

(1)

面白さ☆  難度A

91×22=2002

33×9=297

2002+297=2299 です。

ここからは下のように、少し工夫して計算しましょう。

1×2299-22+33

= 11×2299+11

= 11×(2299+1)

= 11×2300

= 25300

答え 25300

(2)

面白さ☆☆  難度A

31÷2/7-8.5

= 217/2-17/2

= 200/2

= 100

1.8×100=180 です。

ここで、2×3×5×6=180 となるので、

求める答えは、1×4×7×8×9=2016 になります。

北嶺中学校で何度か出題されたことのある、「西暦の年数」を用いた計算問題でした。

計算問題を見たとき、何でもはじめから順に解くのではなく、

上の解法のように要領よく解くための計算の順序を考えて解くことが肝心です。

答え 2016

(3)

面白さ☆  難度A

18×1/2=9

(9+3/4)×5/6

= 39/4×5/6

= 65/8

= 8と1/6

9-8と1/6 = 7/8

答え 7/8

(4)

面白さ☆☆☆☆  難度C

引き算をしようとすると、処理が大変です。

経過時間を年ごとに分けて、最後は足し算をするようにしましょう。

2つの日時の「秒」の数字はともに4(秒)なので、この4秒は無視して考えます。

まず、2014年度分の経過時間を考えます。

打ち上げ当日の12月3日中の経過時間は、24時-13時22分=10時間38分。

ここに、12月4日から12月31日までの31-3=28(日間)が加わります。

2015年度分の経過時間は、365日間です。

最後に、2016年度分の経過時間を考えます。

最終日の1月8日中の経過時間は、10時間10分。

ここに、1月1日から1月7日までの7日間が加わります。

3年分の経過時間の合計は

10時間38分 + 28日 + 365日 + 10時間10分 + 7日

= 400日20時間48分 です。

24×400+20=9620 より、経過時間は、9620時間48分になります。

ちなみに、2016年1月8日10時は、

本年度入試の算数試験の開始時刻にあたります。

答え 9620(時間)48(分)


大問2

(1)

面白さ☆  難度A

1枚あたりの割引額は、3500×0.08=280(円)です。

1500÷280=5あまり100より、

1年間に6枚以上入場券を買うと割引金額が年会費を上回り、

1年間に支払う合計金額が少なくなります。

答え 6枚

(2)

面白さ☆☆  難度A

vic’s粒子の、過去の解説でも何回か取り上げている『最小=0とする』手法が有効です。

3と4と6を合計18個組み合わせて90を作るという問題です。

ここでは、全体から3を引いて、0と1と3を合計18個組み合わせて、

90-3×18=36 を作ることを考えます。

3が11個のとき、

1は(36-3×11)÷1=3(個)、

0は18-11-3=4(個)。

3が10個のとき、

1は(36-3×10)÷1=6(個)、

0は18-10-6=2(個)。

ここまでで、問題の指示通り2組の組み合わせが求められました。

ちなみに、3が9個のとき、

1は(36-3×9)÷1=9(個)、0は18-9-9=0(個)となり条件に反します。

3が8個以下のときは、

全体の個数が18をこえてしまうので、正解は上の2組だけになります。

答え (3人がけ、4人がけ、6人がけ)=(4、3、11)、(2、6、10)

(3)

面白さ☆  難度A

落ち着いて問題文を読み、問題の条件を正確に把握できれば、

とても易しい問題です。

特急列車のAB間の所要時間は、

9時34分-8時10分=1時間24分。

ここで、特急列車と快速列車の速さの比は、90:70=9:7 なので、

AB間の所要時間の比は 7:9 (速さの比の逆比)になります。

よって、快速列車のAB間の所要時間は、

1時間24分×9/7

= 84分×9/7

= 108分

= 1時間48分 です。

快速列車のB駅到着時刻は、9時34分-10分=9時24分 なので、

快速列車のA駅発車時刻は、9時24分-1時間48分=7時36分 になります。

答え 午前7時36分

(4)

面白さ☆☆  難度B

24の約数を書き出すと、1、2、3、4、6、8、12、24となります。

求める整数は24より小さいので、

1と24をのぞいて、2、3、4、6、8、12のうち3つの数を約数に持つ整数です。

言いかえると、23以下で2、3、4、6、8、12のうち3つの数で割り切れる整数になります。

最も大きい整数を求めるので、23から順に調べていきます。

23・・・素数なので不適。

22・・・2、3、4、6、8、12のうち、2でしか割り切れないので不適。

21・・・2、3、4、6、8、12のうち、3でしか割り切れないので不適。

20・・・2、3、4、6、8、12のうち、2と4でしか割り切れないので不適。

19・・・素数なので不適。

18・・・2、3、4、6、8、12のうち、2と3と6で割り切れるので適する。

答え 18

(5)

面白さ☆  難度A

下のように等積移動すると、簡単に求められます。

2016-hokurei-math1-1

4×4×3.14÷4-4×4÷2+1×4 = 8.56(㎠)

答え 8.56㎠

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