2013年 灘中学校 算数(2)
今回は灘中学校の算数2日目を解説します。
2013年度入試での算数2日目の結果は、
受験者平均が54.9点、合格者平均点が70.3点でした。
昨年度に比べて受験者平均・合格者平均点ともに約16点の下降となりましたが、
これは昨年度の問題が比較的易問だったためです。
本年度の問題は、難度的には灘中入試としての平均的なレベルと言ってよいでしょう。
ただし、総解答数が14題と例年よりも少なく、1問の配点が10点ほどの小問が多かったため、
非常に差のつきやすいテストでした。
今回は、1日目同様、非常に灘らしい数の性質の問題を取り上げます。
難度はそれほど高くありませんが、整理力と正確な処理能力が求められる良問です。
合格するためには、(1)(2)ともに完答したいところです。
難度 (1)C (2)D 面白さ☆☆☆☆
(1)
並べてできる4桁の数をABCDとします。
すると、(A,B,C,D)の組み合わせは、
(0,1,2,3),(1,2,3,4),(2,3,4,5),(3,4,5,6),(4,5,6,7),(5,6,7,8),(6,7,8,9)
の7通りしかありません。
これらを、各位の数の和を3で割った余りで分類すると、次のようになります。
グループ0・・・各位の数の和を3で割った余りが0のもの
(0,1,2,3),(3,4,5,6),(6,7,8,9)
グループ1・・・各位の数の和を3で割った余りが1のもの
(1,2,3,4),(4,5,6,7)
グループ2・・・各位の数の和を3で割った余りが2のもの
(2,3,4,5),(5,6,7,8)
グループ0の各組の4つの数字の並べ方を考えると、
(0,1,2,3)・・・3×3×2×1=18(通り)、
(3,4,5,6)と(6,7,8,9)・・・4×3×2×1=24(通り)ずつ
となるので、合計 18+24×2=66(個)となります。
答え 66個
(2)
(1)のグループ分けが、大いに役立ちます。
3桁の数ABCを3で割った余りと、Dを3で割った余りが等しいということは、
A+B+Cを3で割った余りと、Dを3で割った余りが等しいということです。
グループごとにDの条件を考えると、次のようになります。
グループ0・・・Dは3で割り切れる数(0を含む)
グループ1・・・Dは3で割って2余る数
グループ2・・・Dは3で割って1余る数
各組でDとしてあてはまる数に印をつけると、次のようになります。
グループ0・・・(0,1,2,3),(3,4,5,6),(6,7,8,9)
グループ1・・・(1,2,3,4),(4,5,6,7)
グループ2・・・(2,3,4,5),(5,6,7,8)
このうち、(0,1,2,3)の組で、D=3のときだけが、並べてできる数の個数が異なります。
(0,1,2,3)の組で、D=3のとき・・・(A,B,C)=(0,1,2)の並べ方は、2×2×1=4(通り)。
これ以外は、各組の印1つにつき、3×2×1=6(通り)ずつの並べ方があります。
よって、合計4+6×9=58(個)となります。
答え 58個
本年度の入試は、
灘らしい完成度の高さが十二分に感じられるものでした。
このレベルの問題への対応力を養うには、
日々の学習の中で「質の高い難問」に数多くふれることはもちろん、
そのような難問を解く過程自体を“楽しむ”姿勢が欠かせません。
高い壁であることは確かですが、
目標に向かって一歩一歩がんばっていきましょう!