2010年 北嶺中学校 算数(1)
『北嶺突破ゼミ』開講に合わせて、過去の北嶺入試で出題された難問や、合否を分けた問題を取り上げて解説しています。
今回は、2010年の大問5です。
(1)から(3)までは、それほど難度が高くないので、確実に正解しておきたい問題です。
(4)では円柱と直方体の重なりを正確にイメージする能力が要求されます。
問題は標準札幌校のホームページの北嶺中学校過去入試問題からダウンロードできます。
(1)
難度B 面白さ☆☆☆☆
円柱の底面の面積は、(半径)×(半径)×3.14 で求められます。
ここでは、(半径)×(半径)×3.14=6.28 ということなので、
(半径)×(半径)=6.28÷3.14=2 となります。
よって、1辺の長さが円柱の底面の半径に等しい正方形の面積は、2㎠となります。
答え 2㎠
(2)
難度B 面白さ☆☆☆☆
正方形の面積は、(対角線)×(対角線)÷2 で求められます。
(1)で、円柱の底面では、(半径)×(半径)=2 であることがわかっているので、
(直径)×(直径)=(半径×2)×(半径×2)=(半径)×(半径)×4=8 となります。
直方体の底面の正方形は、対角線の長さが円柱の底面の直径と等しくなっているので、
直方体の底面の正方形の面積は、8÷2=4(㎠) となります。
4=2×2 より、この正方形の1辺の長さは、2㎝となります。
答え 2㎝
(3)
難度B 面白さ☆☆☆☆
切り口の形は、いつでも長方形(または正方形)になります。
この長方形の横の長さは、円柱の底面の直径と等しい長さで一定ですが、
長方形のたての長さは、直方体の向きによって変化します。
長方形のたての長さが変化することによって、切り口の面積が変化するのです。
長方形のたての長さが最大になるのは、直方体の底面の対角線の1本が、
4点A、B、C、Dを通る平面上にくる時です。
このとき、切り口の形は正方形となり、その1辺の長さは、円柱の底面の直径に等しくなります。
(2)で、(直径)×(直径)=8 であることがわかっているので、切り口の面積は、8㎠となります。
答え 8㎠
(4)
難度C 面白さ☆☆☆☆
切り口の長方形のたての長さが最小になるのは、直方体の底面の4辺のうち、
1組の向かい合う辺が、4点A、B、C、Dを通る平面と平行な位置にあり、
もう1組の向かい合う辺が、4点A、B、C、Dを通る平面と垂直な位置にある時です。
このときの立体Pは、円柱の側面にまっすぐに1辺2㎝の正方形を押し当てて、
円柱の一部をくりぬいたような形になります。
立体Pの見取図は図1、底面を真上から見ると図2の斜線部のようになります。
底面積は、(円柱の底面積の半分)+(1辺2㎝の正方形の面積の半分)となるので、
6.28÷2+2×2÷2=5.14(㎠) となります。
よって、このときの立体Pの体積は、5.14×2=10.28(㎤)となります。
答え 10.28㎤