2013年 立命館慶祥中学校 算数(2)
今回は、大問Ⅳを取り上げます。
整数の素因数分解を題材にした問題です。
学校発表の「入試講評」では、特に〔3〕の正答率が低かったようですが、
日頃から高いレベルの問題演習を重ねている受験生にとっては、周知の解法でした。
SPコースの合格者はほぼ正解できており、
一般コースの合格者では低い正答率だったようです。
〔1〕
難度A 面白さ☆☆☆
(1)
1から100までの整数のうち、「2の倍数かつ3の倍数である」数の個数を求めます。
2と3の最小公倍数は6なので、100÷6=16あまり4より、6の倍数は16個とわかります。
答え 16日
(2)
1から100までの整数のうち、「2の倍数であるが、3の倍数ではない」数の個数を求めます。
100÷2=50より、2の倍数は全部で50個あります。
ここから(1)で求めた「2の倍数かつ3の倍数である」数の個数を引いて、
「2の倍数であるが、3の倍数ではない」数の個数は、50-16=34(個)とわかります。
答え 34日
(3)
1から100までの整数のうち、「2の倍数でも3の倍数でもない」数の個数を求めます。
まず、「2の倍数または3の倍数である」数の個数を求めて、全部の個数(100個)から引けば、
「2の倍数でも3の倍数でもない」数の個数が求められます。
100÷3=33あまり1より、3の倍数は全部で33個あります。
ここから(1)で求めた「2の倍数かつ3の倍数である」数の個数を引いて、
「3の倍数であるが,2の倍数ではない」数の個数は、33-16=17(個)とわかります。
よって、「2の倍数または3の倍数である」数の個数は,34+16+17=63(個)となり、
「2の倍数でも3の倍数でもない」数の個数は,100-63=37(個)とわかります。
答え 37日
※ 〔1〕の解法について
標準グループのテキスト『合格必修シリーズ』では、
新5年生第3回「整数の性質Ⅱ」で学習します。
5年生以上の会員には、確実に正解してほしいレベルです。
〔2〕
難度B 面白さ☆☆☆
まず、1から100までの整数のうち、「2で割ることのできる回数が最大である」数を考えましょう。
2×2×2×2×2×2×2 (2の7乗) = 128、
2×2×2×2×2×2 (2の6乗) = 64 より、
「2で割ることのできる回数が最大である」数は、64であることがわかります。
64日目は算数を、10×6=60(分)学習することになり、
「もっとも長く学習する日」の学習時間は60分とわかります。
ここからは、算数と国語を合わせて60分学習する日、
つまり、「2で割ることのできる回数と、3で割ることのできる回数の合計が6回である」数を
考えます。
2×2×2×2×2 × 3 (2の5乗×3) = 96、
2×2×2×2 × 3×3 (2の4乗×3の2乗) = 144、
→ これ以上3をかける回数を増やすと、積はどんどん大きくなってしまうので、
100以下で条件にあてはまる数は、64と96だけです。
答え 64日目、96日目
〔3〕
難度B 面白さ☆☆☆
「結局、何を数えればよいのか」が的確につかめれば、解法手順は意外に簡単です。
わかりやすくするために、1日目から10日目までの算数の学習時間を考えてみましょう。
2日目 → 2÷2=1 (2で 1回 割れる)
4日目 → 4÷2=2、2÷2=1 (2で 2回 割れる)
6日目 → 6÷2=3 (2で 1回 割れる)
8日目 → 8÷2=4、4÷2=2、2÷2=1 (2で 3回 割れる)
10日目 → 10÷2=5 (2で 1回 割れる)
となり、1から10までの整数の「2で割ることのできる回数の合計」は、
1+2+1+3+1=8(回)です。
よって、1日目から10日目までの算数の学習時間は、10×7=80(分)になります。
では、「2で割ることのできる回数の合計」を簡単に求めるには、どうしたらよいでしょうか。
上の2日目から10日目までの計算をよく見ると、
10を2、4、8で順に割って、その商を合計すればよいことがわかります。
実際の計算(ここでは余りを省略しています)では、次のようになります。
10÷2=5、
10÷4=2、
10÷8=1 → 5+2+1=8(回)
同様に考えると、1から100までの整数の「2で割ることのできる回数の合計」は、
100÷2=50
100÷4=25
100÷8=12
100÷16=6
100÷32=3
100÷64=1 → 50+25+12+6+3+1=97(回)
1から100までの整数の「3で割ることのできる回数の合計」は、
100÷3=33
100÷9=11
100÷27=3
100÷81=1 → 33+11+3+1=48(回)
よって、100日間で学習する時間の合計は、
10×(97+48)=1450(分)とわかります。
答え 1450分
次回は、立命館慶祥中学校 算数(3)を掲載します。