2013年 北嶺中学校 算数 (1)

2013年度の出題内容は、次の通りです。

大問1 計算問題4問

大問2

  1. 整数の素因数分解
  2. お金の支払い方
  3. 速さと比
  4. 対戦表(勝ち負けの問題)
  5. 平面図形(円とおうぎ形)

大問3 階段の上がり方(フィボナッチ数列・トリボナッチ数列)

大問4 水面の高さ(水そう内の仕切りが動く問題)

大問5 立体図形(影の面積)

今回は、大問2の小問を取り上げて、順に解説していきます。

なお、問題は、標準札幌校ホームページ北嶺中学校過去入試問題

御覧になれます。


(1)

難易度A  面白さ☆☆

【ア】×【イ】×【ウ】=2013ということは、すぐにわかるので、

2013を素因数分解することを考えます。

2013の各位の数字の和は3の倍数(2+0+1+3=6)となっているので、

まずは、2013を3で割ってみると、2013÷3=671となります。

ここからは試行が必要です。考え込まずに、どんどん手を動かすことが大事です。

671が3,5の倍数でないことは容易にわかるので、

÷7,÷11と、どんどん素数で割っていきましょう。

すると、671÷7=95.8・・・,671÷11=61となり、3×11×61=2013とわかります。

ちなみに、以下で紹介する倍数の見分け方から、2013や671が11の倍数で

あることがわかります。

答え 【ア】3,【イ】11,【ウ】61

◎おもな倍数の見分け方

2の倍数・・・一の位が0,2,4,6,8のいずれか。

3の倍数・・・各位の数字の和が3の倍数。

4の倍数・・・下2けたの数字が、00または4の倍数。

6の倍数・・・各位の数字の和が3の倍数かつ、一の位が0,2,4,6,8のいずれか。

8の倍数・・・下3けたの数字が、000または8の倍数。

9の倍数・・・各位の数字の和が9の倍数。

11の倍数・・・各位の数字を1つおきに加えた和の差が、0または11の倍数。

※2013を例にとると、2+1=3,0+3=3,3-3=0より、2013が11の倍数とわかります。

入試年度の数字を使った問題は、北嶺中学校に限らず、多くの中学入試で見られます。

2014年入試をひかえた受験生は、2014=2×19×53という素因数分解を

覚えておいて損はないでしょう。


(2)

難易度A  面白さ☆☆☆☆

366円の支払い方に目がいきがちですが、「あること」に気がつくと、

簡単に正解にたどりつくことができます。

まず、最初の硬貨の枚数は、4+13+5+4=26(枚)で、

金額は1×4+10×13+50×5+100×4=784(円)です。

ここから366円の品物を買うと残金は、784-366=418(円)になります。

ここで、この418円の硬貨の枚数を最も少なくすることを考えると,

418円→100円×4枚,10円×1枚,5円×1枚,1円×3枚となり、

枚数は4+1+1+3=9(枚)になります。

つまり、最初の枚数からは、26-9=17(枚)減らすことができたわけです。

答え  17枚

ちなみに、このときの366円の支払い方は、50円玉5枚、10円玉12枚、1円玉1枚で、

50×5+10×12+1×1-366=5(円)のおつりをもらうことになります。

やはり、上の解法のように、残金から考えるほうが効率がよいですね。


(3)

難易度B  面白さ☆☆☆

速さと比・逆比の関係の理解度が試される問題です。

A君とB君の所要時間の比は、50:60=5:6なので、

A君とB君との速さの比は、6:5(速さの比の逆比)とわかります。

ここからが肝心です。

「周回コースを同じ向きに進んでいて、一方の走者がもう一方の走者を追いこす」

とは、いったいどういう状況でしょうか。

それは、「追いこす側が追いこされる側よりもちょうど1周だけ多く進む」ことを意味します。

ここでは、A君とB君との速さの比が6:5なので、A君が6周進むとB君が5周進み、

2人の周回数の差がちょうど1周になります。

つまり、A君は6周するごとに、B君を追いこすことがわかります。

A君は全部で25周するので、追いこしの回数は、

25÷6=4(回)…1とわかります。

答え 4回

 


(4)

難易度B面白さ☆☆☆

問題の条件を正確に読み取ることができれば、確実に正解できる問題なのですが、

意外に苦戦した受験生が多かったようです。

大問2の中では、(1)、(5)とともに、ぜひとも正解しておきたい問題です。

まず、Bの勝ち点に注目すると、B-Dの対戦は、B○、D×とわかります。

次に、Eの順位に注目すると、EはC、D2チームとの対戦で2勝していることがわかります。

ここまでは、ほとんどの受験生が容易にたどり着けたはずです。

ここからが正解への正念場です。

次に、Aの勝ち点に注目すると、

AはC、D2チームとの対戦で1敗1引き分けであることがわかります。

つまり、C、Dのうちどちらか1チームはAに勝って、勝ち点3を得ています。

Cの勝ち点は2なので、CがAに勝っていることは考えられません。

よって、Aに勝ったのはDだとわかります。

以上より、A-Cの対戦は、A△、C△、

A-Dの対戦は、A×、D○とわかります。

あとは、Cの勝ち点から、C-Dの対戦は、C△、D△とわかります。

これで、以下のように、全ての対戦結果がわかりました。

hokurei25math1

勝ち点の合計は、5+8+2+4+7=26(点)です。

答え 26点


次回、北嶺中学校 算数(2)は、大問3の解説をおこないます。

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