2021年 北嶺中学校 理科(2)

2021年度 北嶺中学校 理科 分析と解説(大問3)

問題は標準札幌校ホームページ北嶺中学過去入試問題からダウンロードできます。

◎大問3

(1)

(エ)

アルミニウムはくに塩酸を加えると、水素が発生します。二酸化炭素は炭素と酸素が反応して発生するものなので、もとの物質に炭素が含まれないものからは、二酸化炭素は発生しません。(ア)には炭酸水に、(イ)には石灰石(炭酸カルシウム)に、(ウ)には重曹(炭酸水素ナトリウム)に、(オ)には卵の殻(炭酸カルシウム)に、それぞれ炭素が含まれます。

 

(2)

表2を見ると、Bはメタンガスも酸素も残っていないので、このときメタンガスがすべて燃焼し、酸素がすべて使われたと考えられます。表1のBより、メタンガス10㎤を燃焼させるために酸素20㎤が必要だとわかります。つまり、ちょうど燃焼するために必要なメタンガスと酸素の体積比は1:2です。よって、メタンガス30㎤をすべて燃焼させるために必要な酸素は30×2=60(㎤)です。

 

(3)

ちょうど燃焼するために必要なメタンガスと酸素の比が1:2なので、酸素50㎤で燃焼するメタンガスの体積は50÷2=25㎤です。表2のBより、メタンガスがすべて燃焼したときに発生する二酸化炭素の体積は、メタンガスの体積と等しいことがわかります。よって、25㎤のメタンガスがすべて燃焼したとき、発生する二酸化炭素の体積も25㎤になります。もとのメタンガスの体積は30㎤で、そのうち25㎤が燃焼したため、残ったメタンガスの体積は5㎤です。よって、燃焼後の気体の体積は25+5=30(㎤)です。

 

(4)

表4を見ると、Jはプロパンガスも酸素も残っていないので、このときプロパンガスがすべて燃焼し、酸素がすべて使われたと考えられます。表3のJより、プロパンガス10㎤をすべて燃焼させるために酸素50㎤が必要だとわかります。つまり、ちょうど燃焼するために必要なプロパンガスと酸素の体積比は1:5です。また、問題文より、空気は窒素と酸素が4:1の体積比で混合された気体であるので、K~Nの空気中に含まれる酸素の体積は、以下の表の通りです。

K L M N
プロパンガスの体積 (㎤) 2 2 2 2
空気の体積 (㎤) 25 50 80 100
酸素の体積 (㎤) 5 10 16 20

2㎤のプロパンガスがちょうど燃焼するために必要な酸素の体積は、2×5=10(㎤)です。これより、L、M、Nではプロパンガスがすべて燃焼したことがわかります。

Kのとき、5㎤の酸素で燃焼するプロパンガスの体積は5÷5=1(㎤)です。表4のJより、10㎤のプロパンガスがちょうど燃焼したとき、30㎤の二酸化炭素が発生しているため、燃焼したプロパンガスと発生した二酸化炭素の体積比は1:3です。このため、Kで発生した二酸化炭素が3㎤です。残ったプロパンガスは2-1=1(㎤)、窒素は25-5=20(㎤)なので、あわせて3+1+20=24(㎤)です。同じように、L、M、Nについても計算していきます。

K L M N
プロパンガスの体積 (㎤) 2 2 2 2
空気の体積 (㎤) 25 50 80 100
酸素の体積 (㎤) 5 10 16 20
窒素の体積 (㎤) 20 40 64 80
燃焼したプロパンガスの体積 (㎤) 1 2 2 2
燃焼に使った酸素の体積 (㎤) 5 10 10 10
残ったプロパンガスの体積 (㎤) 1 0 0 0
残った酸素の体積 (㎤) 0 0 6 10
発生した二酸化炭素の体積 (㎤) 3 6 6 6
燃焼後の気体の体積の合計 (㎤) 24 46 76 96

これをグラフに書きうつすと、次のようになります。

傾きが急なために分かり辛いですが、プロパンガスが完全に燃焼したとき、つまり空気の体積が50㎤のところを境にして、傾きが変わっています。

 

(5)

メタノール2gによって発生する熱量は、5400×2=10800(cal)あります。氷は90gあるので、氷1gあたり消費する熱量は、10800÷90=120(cal)です。0℃の氷1gが0℃の水1gになるのに必要な熱量が80calなので、この氷が0℃の水になった時点で、残り120-80=40(cal)の熱量を消費できます。水1gの温度が1℃上がるのに必要な熱量が1calなので、40calで0℃の水1gの温度は40℃になります。

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