2021年 北嶺中学校 算数(5)
2021年度 北嶺中学校 算数 分析と解説 (大問5)
問題は標準札幌校ホームページの北嶺中学過去入試問題からダウンロードできます。
◎大問5
連続する整数の和を扱う問題です。(3)(4)は、解法を知らないと非常に難度の高い問題となっています。(1)(2)については、落ち着いて取り組めば正解できるので、取りこぼしなく正解したい問題です。
(1)
①
3個の連続する整数は、(1,2,3)、(2,3,4)、(3,4,5)のように、それぞれが1ずつ大きくなっていきます。このため、和は6、9、12と、3ずつ大きくなっていきます。6,9以外で小さいものから4個求めるため、答えは12、15、18、21です。
②
4個の連続する整数は、(1,2,3,4)からはじまり、4ずつ大きくなっていきます。10以外で小さいものから4個求めるため、答えは14、18、22、26です。
③
5個の連続する整数は、(1,2,3,4,5)からはじまり、5ずつ大きくなっていきます。1+2+3+4+5=15より、答えは15、20、25、30です。
※ このとき、①と③は中央の数が各数字の平均になっているため、3+4+5=4×3=12のように求めることができます。また、②は1+2+3+4=(1+4)+(2+3)=5+5=5×2=10のように求めることができます。この考え方が、(3)(4)への導入となっています。
(2)
1から順に整数を足していったときにできる数が、100より小さくなる場合を考えます。1+2+3+4+5+6+7+8+9+10+11+12+13=91より、最大13個の連続する整数の和が答えになります。
(3)
※前提
ある数を2個の整数の積で表したとき、そのなかに1ではない奇数があれば、連続する整数の和で表せます。このとき、かけられる数を大きい数とするとわかりやすいでしょう。
例…36は、12×3または9×4で表すことができます。
① 12×3のとき、12が3個あると考えます。
12+12+12
左の12から1を引き、その1を右の12に付け足しましょう。
11+12+13
このように、3個の連続する整数の和となります。
② 9×4のとき、9が4個あると考えます。9は奇数なので4+5と表すことができます。また、数をずらすことで3+6、2+7、1+8とも表すこともできます。これより、36=1+2+3+4+5+6+7+8といえます。このことは、ある数の約数のうち、1でない奇数が含まれる数だけ連続する整数の和が存在することを表します。
54の約数は、1、2、3、6、9、18、27、54です。このうち、1でない奇数は3、9、27の3個あるので、3種類の連続する整数の和で表すことができるといえます。
なお、それぞれの整数の和は以下の通りです。
① 27×2のとき、27が2個あると考えます。27は奇数なので13+14および12+15で表すことができます。よって、54=12+13+14+15といえます。
② 18×3のとき、18が3個あるといえます。
18+18+18
左の18から1を引き、その1を右の18に付け足しましょう。
17+18+19
これより、54=17+18+19といえます。
③ 9×6のとき、9が6個あると考えます。9は奇数なので4+5、3+6、2+7、1+8の4種類の表し方があります。この時点では、54=1+2+3+4+5+6+7+8+9+9となり、9が2個あるために連続する整数の和とは言えません。1を9の片方と足すことで、2+3+4+5+6+7+8+9+10となり、連続する整数の和になります。
(4)
5種類の整数の和で表すことができるということは、ある整数の約数のなかに、1でない奇数が5個あるということです。
素数の奇数AとBを約数に持つ数は、A、B、A×Bという3個の1でない奇数の約数を持ちます。また素数の奇数A、B、Cを約数に持つ数は、A、B、C、A×B、B×C、A×C、A×B×Cという7個の1でない奇数の約数を持ちます。これらはいずれもちょうど5個とはならず、条件を満たすことができません。
素数の奇数AとBに加え、A×Aを約数に持つ数は、A、B、A×A、A×B、A×A×Bという5個の1でない奇数の約数を持つため、条件を満たします。この条件を満たす数を探しましょう。
A=3のとき、A×A=9なので、B=5、7、11が成立します。…9×5=45、9×7=63、9×11=99
A=5のとき、A×A=25なので、B=3が成立します。…25×3=75
また、これらの数を2倍した数も、約数に含む奇数の数が変わらないため、条件を満たします。このうち、45×2=90のみが100以下になります。
以上より、答えは45、63、75、90、99の5個です。