2021年 北嶺中学校 算数(4)
2021年度 北嶺中学校 算数 分析と解説 (大問4)
問題は標準札幌校ホームページの北嶺中学過去入試問題からダウンロードできます。
◎大問4
(1)
①
駅を出発した電車Aは、地点Pまでは外側のコースを走ります。その後内側のコースを一周し、地点Pで再び外側のコースに戻り、最後に地点Pから駅までの間を走ります。このことから、電車Aは外側と内側のコースを、それぞれ一周ずつしていることがわかります。
外側のコースを一周するのにかかる時間は540÷30=18(秒)、内側のコースを一周するのにかかる時間は400÷20=20(秒)なので、あわせて18+20=38(秒)で再び駅に戻ってきます。
②
駅に戻ってきた電車は5秒間停止します。また、駅から地点Qまでの距離は135㎝なので、電車Aが駅から地点Qまで進むのにかかる時間は135÷30=4.5(秒)です。これより、電車Aが二度目に地点Qに到達するのは、38+5+4.5=47.5(秒後)になります。
一方、電車Bが駅から地点Rに到達するためには、外側のコースを駅から地点Pまで、内側のコースを地点Pから地点Rまで進む必要があります。駅から地点Pまでの距離は、135+270=405(㎝)ですから、電車Bが外側の線路を進んだ時間は405÷30=13.5(秒)です。また、地点Pから地点Rまでの距離は200㎝ですから、電車Bが内側のコースを進んだ時間は200÷20=10(秒)です。これより、電車Bは駅を出発してから13.5+10=23.5(秒後)に地点Rに到達します。
以上より、電車Bは電車Aが出発して47.5-23.5=24(秒後)に駅を出発したことになります。
(2)
比較的難度の高い問題のため、情報を整理して理解することが大切です。
距離 | 電車A | 電車C | ||
外 側 |
駅~P | 405㎝ | 13.5秒 | 16.2秒 |
P~駅 | 135㎝ | 4.5秒 | 5.4秒 | |
内側 | 400㎝ | 20秒 | 16秒 |
それぞれの電車が各地点を移動するのにかかる時間は、上の表のようになります。この情報をもとに、問題を見ていきましょう。
①
電車Aが、はじめて地点Pに到達するのは13.5秒後です。また、電車Aは内側のコースを一周するのに20秒かかりますから、二度目に地点Pに到達するのは13.5+20=33.5(秒後)です。
地点Pのポイントは、電車が通過するたびに進むコースが変わります。つまり、電車Aが2回続けて内側のコースを進むためには、13.5秒後より後、33.5秒後より前に電車Cが地点Pを通過する必要があります。
電車Cが、駅から地点Pまでの距離を進むのにかかる時間は16.2秒です。これより、電車Cが33.5秒後より前に地点Pに到達するには、駅を33.5-16.2=17.3(秒後)より前に出発する必要があります。問題文に「最大の整数の値」と書かれているので、答えは17秒後です。
②
はじめに、問題文の情報を整理します。問題文には「電車Aは2回続けて内側のコースを進み、次は外側のコースを進みました」とあります。ポイントは、電車が通過するたびに進む方向が切り替わるので、電車Aが地点Pを通過するタイミングは、以下の表の通りになります。
A1回目 | 外側から | 内側に進む |
外側に進む | ||
A2回目 | 内側から | 内側に進む |
A3回目 | 内側から | 外側に進む |
内側に進む |
表中で、灰色で示された部分は電車Aが地点Pを通過できません。よって、このときに電車Cが地点Pを通過したとわかります。これを表したものが下の表およびダイヤグラムです。
A1回目 | 外側から | 内側に進む |
C1回目 | 外側から | 外側に進む |
A2回目 | 内側から | 内側に進む |
A3回目 | 内側から | 外側に進む |
C2回目 | 外側から | 内側に進む |
電車Cが1回目に地点Pを通過するのが10+16.2=26.2(秒後)のため、電車Aが2回目に地点Pを通過するのはそれよりも後です。電車が地点Pを合計5回通過するまでの間で、電車Aが外側のコースにいるのは、開始から13.5秒後までの間と、電車Aが3回目に地点Pを通過した後になります。
電車Cは開始から10秒後に駅を出発するため、両方の電車が外側のコースにいるのは10秒後から13.5秒後までの3.5秒間だけになります。このため、両方の電車が11秒以上外側のコースにいるタイミングは、電車Aが3回目に地点Pを通過してから、電車Cが2回目に地点Pを通過する52.8秒後までの間になります。これより、電車Aが3回目に地点Pを通過するのは52.8-11=41.8(秒後)よりも前です。
以上から、電車Aは13.5秒後から41.8秒後の28.3秒以内に内側のコースを2周しつつ、1周あたり26.2-13.5=12.7(秒)以上の時間をかけることになります(ただし、12.7×2=25.4より、後者の条件は無視しても問題ないでしょう)。電車Aが内側のコースを1周するのにかかった時間は28.3÷2=14.15(秒)以下なので、内側のコースの長さは14.15×20=283(㎝)以下です。内側のコースの長さは10㎝ずつ変えられるため、その長さは280㎝になります。もとのコースの長さが400㎝のため、短くした長さは400-280=120(㎝)です。