2020年 北嶺中学校 算数(3)

問題は標準札幌校ホームページ北嶺中学過去入試問題からダウンロードできます。

 

大問5

高校数学で習う三角関数が、小学生にも正解できる範囲で出題されています。

直角三角形について、各辺の長さの割合が表にまとめられています。

 

例えば、あの角が20度のとき、(BCの長さ)/(ABの長さ)を考えてみましょう。

表の20°と(BCの長さ)/(ABの長さ)とが交差する数字を探します。

すると、(BCの長さ)/(ABの長さ)=0.3640とわかります。

このように、表を活用しながら問題を考えていきましょう。

 

(1)

(ⅰ)

情報をまとめたうえで、分かりやすいように図を大げさにかいてみます。

このとき、図の赤い部分は、

下図の青い三角形と黄色の三角形との

相似形を使って求めることができます。

(高さ):(底辺の長さ)=3m:18m=1:6より、

青い三角形の高さは6.4÷6=16/15(m)と分かります。

よって、光線は、壁の上端から16/15-1≒0.067(m)上を通過しました。

 

(ⅱ)

下図のように、光線をDに近づけます。

このとき、BCの高さと壁の高さの比は3m:1m=3:1なので、

下図のように考えることができます。

よって、光線の位置はDから11.6÷②=5.8(m)先になります。

 

いの角を10°にして、Cの高さを考えます。

下図の三角形について、BCの長さを求めます。角度が10°なので、表の10°を見てみましょう。

いま、分かっている長さは、AB(18m)です。

BCの長さを求めたいので、

BC/ABと交差するところを調べます。

よって、BC/18=0.1763と分かりました。

BC=0.1763×18=3.1734≒3.173(m)

 

(2)

Aの方向に、壁の上端めがけて光線を放つと、下図のようになります。

壁の高さは1m、Cの高さは3mなので、

(1)①(ⅱ)より、光線の先から壁までの距離は5.8mです。

壁の上端に沿って、光線を左にずらしていくと、下図のようになります。

光線の先が真横に移動していく理由を考えてみます。

壁の高さは常に1mで、Cの高さは常に3mです。

よって、(1)①(ⅱ)の相似形について、

光線が壁の上端に沿って移動しても、

常に相似比は1:3になります。

下図のように、(光線から壁):(壁から光線の先)=2:1です。

移動した光線のあとは下図のようになります。

このとき、三角形アイオと三角形アウエは相似形で、

辺イオと辺ウエは平行です。

よって、光線の先は真横に移動することが分かります。

(同じような考え方をする問題が、平成25年度の大問5で出されています。)

これで、求めるべき面積(下図の赤い長方形の部分)について、

一辺の長さが6.4-5.8=0.6(m)と分かりました。

次に、AFの長さを求めます。

長方形FGBAについて考えると、角FBA=角BFG=13°で、FG=18(m)です。

これを、表と照らし合わせます。

このとき、FGを底辺と考えます。

なお、表に出てくるA~Cと、図のA~Fを混同しないように、

表のAB、BC、ACを底辺、高さ、斜辺に書き直すことをお勧めします。

よって、(高さGB)/(底辺FG 18m)=0.2309とわかります。

GBの長さは0.2309×18=4.1562(m)です。

 

以上より、求めるべき面積は0.6×4.1562=2.49372≒2.494(㎡)です。

 

2ステップで正解を出すことができるので、はじめに解法を確認します。

まず、FGが18mであることと角度が13°であることを利用して、

下図の青い直角三角形の斜辺の長さを求めます。

求めた長さは、下図の緑の直角三角形の底辺でもあります。

よって、次に、底辺の長さと高さを利用して、

うの角度を求めることができます。

では、実際に解いていきます。

 

まず、FBの長さを求めます。

角度が13度のとき、(底辺FG)/(斜辺FB)=0.9744です。

よって、FBの長さは18÷0.9744≒18.473と分かります。

 

次に、うの角度を求めます。

(高さBC)/(底辺FB)=3÷18.473≒0.1623…

となります。

ここで、表の(高さ)/(底辺)=BC/ABを確認します。

表の赤い矢印のところに、0.1623があるので、

うの角度は9~10°だと分かります。

よって、答えは9度です。

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