2019年 北嶺中学校 理科(4)
大問4
(1) a 超新(星爆発) b 恒(星) c 惑(星) d 衛(星) e JAXA
(2)
地球は、自転しつつ、太陽のまわりを公転しています。
公転だけをしなくなると、下図のように同じ場所で自転を続けることになります。
では、選択肢を検討していきます。
ア 地軸が傾いていることと、地球が公転していることから、季節ができます。
夏と冬とでは日照時間が異なり、この日照時間の長短と太陽高度の違いから、
気温の差が生じています。
よって、地球が公転しなくなると、夏も冬もなくなり、四季がなくなります。
イ・ウ 地球が自転をし続けることで、札幌では、
太陽はいまと変わらず昇ったり沈んだりします。
公転をしなくなったときの地軸の傾き方によっては、
南極や北極では太陽が昇らなくなったり沈まなくなったりします。
エ・オ 地球が公転をやめると、アで書いたように、四季がなくなります。
場所によって日照時間が決まり、太陽の昇る時間は季節の変化につながるので、
日の出の時刻や日の入りの時刻は変わらなくなります。
カ 地球が公転をやめ、自転を続けても、
北半球と南半球の位置が変わることはありません。
よって、南半球でしか見ることができない星座を、
北半球で見ることができるようにはなりません。
(3)
金星が1回公転をするのに240日かかると、問題文に書いてあります。
よって、図1の状態から240日後の状態を考えます。
地球は、360度回るのに360日かかるので、
240日後には1周の240/360=2/3を進んでいます。
よって、地球はキの範囲にあります。
一方、火星は、360度回るのに720日かかります。
240日後は1周の240/720=1/3を進んでいるので、
火星はイの範囲にあります。
(4)
はじめに、810日後に、地球と金星がどの位置にあるのかを考えましょう。
地球の位置について
810日後の地球は、1(周)×910/360=2と1/4(周)しています。
このとき、地球はイとウの間にあります。
金星の位置について
810日後の金星は、1(周)×910/240=3と3/8(周)しています。
このとき、金星はアとイの間にあります。
2つの星の位置を図で確認すると、以下のようになります。
では、選択肢を考えていきます。
ア・エ 明け方に、金星はどの方角に見えるかを考えます。
地球の北極側から見ると、地球は反時計回りに自転をしています。
明け方に太陽の見える方角が東なので、下図のような状態だとわかります。
このとき、金星は東の位置に見えるので、アが正解です。
イ・オ 下図のように、810日後の真夜中の位置から、金星は見えません。
ウ・カ 下図のように、夕方の位置からも、金星は見えません。
(5)
日の出の位置と、そこから見る東と南の方角を確認しましょう。
上図のように考えられます。
よって、真南に見られる火星とは、下図の位置です。
(6)
問題を解く準備として、まず地球と火星の公転について角速度を求ましょう。
地球の角速度は、360(度)÷360(日)=1(度/日)です。
また、火星の角速度は、360(度)÷720(日)=0.5(度/日)です。
そして、問題文には
「この逆向きの動きを逆行といい、公転によって
地球と火星の距離が近づく時期に見られる現象です」
と書かれています。
地球が火星に近づくのは、
あと360(度)-60(度)=300(度)追いつかなければなりません。
よって、300(度)÷(1-0.5)(度/日)=600(日後)となり、答えはオとわかります。
以上のように、逆行が起こる理由がくわしく分からなくても、
問題文を最後まで丁寧に読めば、どのように解けばよいのかが分かります。
さて、下図を見ながら、逆行について考えてみましょう。
例えば、6月1日(①)から12月1日(⑦)まで火星を観測し、
下のように9月1日(④)に地球と火星が最接近したとします。
6月1日(①)から8月1日(③)までは、火星は西から東に向けて進んでいます。
これを順行といいます。
ところが、地球と火星が最接近する前後の8月1日(③)から10月1日(⑤)までは、
地球が火星を追い抜くので、火星は東から西に進んでいるように見えます。
これが逆行です。
そして、10月1日(⑤)から12月1日(⑦)を観察すると、
火星はふたたび順行していることが分かります。
以上の理屈が分からなくても、文章を丁寧に読めば、
問題を解くには差し障りがありません。
しかし、せっかくなので、問題を解いたあとにも
興味を持って、調べてみましょう。