2018年 立命館慶祥中学校 算数(2)
今回は,大問Ⅲを取り上げて解説します。
大問Ⅲ
〔1〕 面白さ☆☆ 難度A
N角形の内角の和は,180×(N-2)(度)の公式で求められるので,
五角形の内角の和は,180×(5-2)=540(度)です。
したがって,正五角形の1つの内角の大きさは,540÷5=108(度)です。
AFの延長線と辺CDの交点をHとすると,
FHは正三角形CDFを合同な2つの三角形に分けるので,
∠CFH=60÷2=30(度)です。
また,∠BCD=108度,∠FCH=60度より,∠BCF=108-60=48(度)です。
このとき,CF=CD,CB=CDより,CF=CBなので,三角形CFBは二等辺三角形となり,
∠CFB=∠CBF=(180-48)÷2=66(度)です。
したがって,角あの大きさは,180-66-30=84(度)です。
答え 84度
〔2〕 面白さ☆☆ 難度A
ひもの長さが4mなので,ひもをぴんとはったまま犬が動くと,
犬が動いたあとは,次の図の太線のようになります。
したがって,犬が動ける範囲は太線の内部ということになります。
問題文中に「犬小屋の面積は含まないものとします」という記述があるので,
求める面積は,半径が4m,中心角が,360-90=270(度)のおうぎ形の面積と,
半径が2m,中心角が90度のおうぎ形の面積2つ分の合計になります。
したがって,求める面積は,次のように求められます。
4×4×3.14×(270/360)+2×2×3.14×(90/360)×2
=12×3.14+2×3.14
=14×3.14
=43.96(㎡)
答え 43.96㎡
〔3〕 面白さ☆☆☆ 難度B
角柱の表面積を求めるのに,
次の公式を使い慣れている受験生にとっては簡単な問題です。
(角柱の表面積)=(底面積)×2+(底面のまわりの長さ)×(高さ)
ただし,1面ずつ面積を考えて解こうとすると,大変難しい問題です。
手前の面を底面,高さを12㎝と考えます。
すると,底面のまわりの長さは,たて14㎝,横10㎝の長方形のまわりの長さと等しいので,
(14+10)×2=48(㎝)です。
したがって,(底面積)×2+48×12=790という式が導き出されます。
ここから,(底面積)=(790-48×12)÷2=107(㎠)とわかるので,
この立体の体積は,107×12=1284(㎤)です。
答え 1284㎤
〔4〕
(1) 面白さ☆☆☆ 難度B
次の図のように,図1の①,②,③の方向から見たときに見える面を,
それぞれ,面A,B,Cとします。
また,面AとBが接している辺をP,面BとCが接している辺をQ,
面CとAが接している辺をRとします。
そして,各展開図での辺P,Q,Rの位置に注目しながら,
面A,B,Cの位置関係が正しいものを選びます。
アでは, 辺Rに注目すると,面Cの向きが誤っていることがわかります。
イでは,辺Pと辺Qに注目すると,面A,B,Cの位置関係が正しいことがわかります。
このとき,展開図を組み立てると,辺Pどうし,辺Qどうしが重なるので,
次のように,面Cを右に90度,面Bを左に90度回転させて,
辺Pどうし,辺Qどうしが重なるような展開図をイメージできれば,
面A,B,Cの位置関係が正しいことがよくわかるはずです。
ウでは, 辺Qに注目すると,
面Bと面Cの位置関係が誤っていることが,すぐにわかります。
エでは,辺Pと辺Qに注目すると,
面A,B,Cの位置関係が正しいことがわかります。
このとき,展開図を組み立てると,辺Pどうしが重なるので,
次のように,面Aを左に90度回転させて,
辺Pどうしが重なるような展開図をイメージできれば,
面A,B,Cの位置関係が正しいことがよくわかるはずです。
答え イ,エ
(2) 面白さ☆☆☆ 難度B
立方体を手前に1回,手前にもう1回,右に1回と転がすように動かしたとき,
図5の3つの枠と面A,B,C,および,辺P,Q,Rの重なり方は,次の図のようになります。
辺P,Q,Rと面A,B,Cの位置関係に注目すると,
記号の向きは,次の図のようになります。
答え 上の図
立方体を転がす前に,あらかじめ面A,B,Cを紙に垂直な向きに,
下の図のように開いておき,この3つの面をそのままの向きで
手前に1回転がすと考えてもよいでしょう。