2017年 北嶺中学校 算数(2)
今回は,本年度入試で最も難しかった大問3を取り上げます。
数の性質の問題ですが,全部の場合を調べ上げるのはかなり大変です。
問題全体を通して上手な誘導がなされているので,
小問を順に解いていく中でうまく規則性を見つけて,
調べる回数を減らすことが肝心です。
問題を解くための方針を定められずにいると,
大きな時間のロスにもつながりかねません。
なお、問題は標準札幌校ホームページの北嶺中学過去入試問題からダウンロードできます。
大問3
(1)
面白さ☆☆ 難度A
E*B=(1,2,3)→(1,3,2)→(3,2,1)=F
答え F
(2)
面白さ☆☆☆ 難度B
まず,A~Fの3つの対応を,次のように3つのグループに分けます。
グループ① 3つの数が全く変化しない対応・・・A
グループ② 1つの数が変化せず,残り2つの数が入れかわる対応・・・B,C,F
グループ③ 3つの数がすべて変化する対応・・・D,E
ここで,Xがグループ②のとき,X*Xの対応は,
(1,2,3)
→(1つの数が変化せず,残り2つの数が入れかわる)
→(1回目に変化しなかった1つの数はそのままで,1回目で入れかわった2つの数がもとにもどる)
→(1,2,3)
のように,(1,2,3)にもどることがわかります。
例えば,B*B=(1,2,3)→(1,3,2)→(1,2,3)=Aのようになります。
次に,Xがグループ③のとき,X*Xの対応は,
D*D=(1,2,3)→(2,3,1)→(3,1,2)=E
E*E=(1,2,3)→(3,1,2)→(2,3,1)=D
のようになります。
よって,X*X=Aが成り立つのは,X=B,C,Fのときです。
答え B,C,F
(3)
面白さ☆☆☆☆☆ 難度C
いま,A*A=A,A*X=X*A=Xは明らかです。
さらに,(1),(2)からわかる対応を加えて表にすると,次のようになります。
ここから,残りの対応を考えるのですが,すべての場合を調べるのは大変です。
X,Yがどのグループかで場合分けして,「規則性」を見つけましょう。
その1・・・X,Yがともにグループ②のとき。
B*C=(1,2,3)→(2,1,3)→(3,1,2)=E
C*B=(1,2,3)→(1,3,2)→(2,3,1)=Dのようになるので,
対応は,DまたはEのいずれかと等しくなり,X*Y≠Y*Xであることが予想できます。
※実際には,B*F=(1,2,3)→(3,2,1)→(2,3,1)=D
F*B=(1,2,3)→(1,3,2)→(3,1,2)=E
C*F=(1,2,3)→(3,2,1)→(3,1,2)=E
F*C=(1,2,3)→(2,1,3)→(2,3,1)=D
のようになるのですが,
実際の試験では,最初の2例から結果を予想して,
他のパターンを調べていくのが現実的でしょう。
その2・・・X,Yがグループ②,③に分かれるとき。
(1)より,E*B=Fがわかっています。
B*E=(1,2,3)→(3,1,2)→(2,1,3)=Cのようになるので,
対応は,B,C,Fのいずれかと等しくなり,X*Y≠Y*Xであることが予想できます。
ここでも,他のパターンを調べることを優先します。
その3・・・X,Yがともにグループ③のとき。
D*E=(1,2,3)→(3,1,2)→(1,2,3)=A
E*D=(1,2,3)→(3,1,2)→(1,2,3)=Aのようになるので,
対応は,Aと等しくなり,X*Y=Y*Xであることがわかります。
以上から,X,YがDとEであるとき,X*Y=Y*Xが成り立つことがわかりました。
答え D,E
(4)
面白さ☆☆☆☆☆ 難度C
ここまででわかった対応を表にすると,次のようになります。
ここから,選ばれる3つがどのグループかを考えます。
まず,3つがすべてグループ②(B,C,F)のとき,
X*Yの対応は,A,D,Eのいずれかと等しくなるので,条件に適しません。
よって,求める3つには必ずグループ③(D,E)が含まれます。
かりにDがふくまれるとすると,D*D=Eより,Eもふくまれます。
このとき,D*E=E*D=Aより,Aもふくまれます。
残りの組み合わせは,A*A=A,A*D=D*A=D,A*E=E*A=Eとなります。
よって,A,D,Eの3つを選べば,
X*Yの対応は,必ずA,D,Eのいずれかと等しくなるので,条件に適します。
答え A,D,E