2015年 西大和学園 算数

今回は、関西有数の進学校である西大和学園の、本校入試・男子の問題を扱います。

2015年度の大学進学実績では、東大27名・京大81名の合格者を輩出しています。

西大和学園の入試は、算数150点・国語150点・理科100点・社会100点の500点満点ですが、

算国理の3教科で受験することも可能です。

3教科受験の場合は、算国理の合計点を5/4倍したものが得点となります。

また、4教科受験の場合は、4教科型と3教科型の点数のうち高い方の点数が得点となります。

本校入試に先立ち、東京、東海、岡山、広島、福岡の各会場で県外入試が実施されます。

2012年度から札幌も入試会場に加わりましたが、他の県外入試とは異なり、

札幌会場では本校入試と同じ日程・問題で試験が実施されます。

2014年度からは本校入試で女子の募集が開始され、男子180名、女子40名の定員となりました。

なお、本校入試は全国の共学校でも非常にめずらしい、男女別問題での入試となっています。

2015年度の本校入試の合格最低点は、男子が335点(昨年度は353点)、女子が345点(昨年度は349点)でした。

昨年度に比べて男子の算数が難化したため、男子の合格最低点が18点も下がりました。

実質競争率は男子が2.44倍、女子が3.44倍となっており、女子受験者にとっては大変厳しい入試になっています。

2015度の出題内容は、次の通りです。

大問1

計算問題3問

小問3問(小問の内容は、食塩水の濃度・時計算・数の性質)

大問2 平面図形の小問2問、場合の数(ぬり分け)の小問1問、立体図形の小問1問

大問3 点の移動

大問4 数の性質

算数では例年、最後の大問4で難度の高い「数の性質」の問題が出題されます。

本年度入試でもやはり、大問4の難度が最も高くなっています。

実際の入試では、(1)と(2)は確実に正解したいところですが、(3)と(4)は「捨て問」にするのが賢明でしょう。

今回も昨年に引き続いて、最難関の大問4を取り上げて解説します。


2015-nisiyamato-math

(1)

面白さ☆☆  難度A

書きかえられた4個の数字のうち、一番上の数字は0~10のいずれかであり、

もっとも下の数は,0~4のいずれかです。

よって、元の4個の数字は小さい順に、0、1、2、3または、1、2、3、4の2通りしかありません。

よって、元の連続する4個の整数の一番上の数字について、考えられるもっとも大きい数は1です。

答え 1

(2)

面白さ☆☆  難度A

上から1番目が11の倍数、2番目が7の倍数になるので、11の倍数と7の倍数がこの順に連続するところを探します。

11の倍数とそれに続く整数を小さい順に書き出していくと、

(0、1)、(11、12)、(22、23)、(33、34)、(44、45)、(55、56)となり、

(55、56)のところで、初めて2番目の数が7の倍数になります。

よって、元の連続する4個の整数の一番上の数字について、考えられるもっとも小さい数は55です。

答え 55

(3)

面白さ☆☆☆☆  難度D

上から1番目が11の倍数、2番目が7の倍数、3番目が6の倍数、4番目が5の倍数になりますが、

(2)のように書き出して答えを見つけるのは大変困難です。

上から1番目の数に注目すると、

(上から1番目の数) = (上から2番目の数)-1 = (7の倍数)-1 = (7で割って6余る数)

となります。

同様に考えると、

(上から1番目の数) = (6で割って4余る数) = (5で割って2余る数)

となるので、上から1番目の数は、

「11の倍数であり、7で割って6余り、6で割って4余り、5で割って2余る数

ということが言えます。

ここで、後ろの3つの条件に注目します。

7で割って6余り、6で割って4余り、5で割って2余る数」に8を加えると、

7でも6でも5でも割り切れる数になります。

なぜなら、

6+8=14で、14は7の倍数

4+8=12で、12は6の倍数

2+8=10で,10は5の倍数

となるからです。

7と6と5の最小公倍数は、7×6×5=210なので、上から1番目の数は、210×□-8 の式で表されます。

さらに、上から1番目の数は11の倍数でもあるので、210×□-8=11×△ という式が得られます。

この式を満たす最小の整数の組(□、△)を見つければ、正解が求められます。

ここで、210÷11=19あまり1なので、□=8のとき、△=19×8=152 となることがわかります。

よって、もとの連続する4個の整数の一番上の数字について、

考えられるもっとも小さい数は、11×152=1672 です。

実際に計算して確かめると、次のようになります。

1672÷11=152あまり0

1673÷7=239あまり0

1674÷6=279あまり0

1675÷5=335あまり0

答え 1672

(4)

面白さ☆☆☆☆☆  難度D

(3)より、書きかえられた4個の数字がすべて0になるような元の連続する4個の整数は、

もっとも小さいとき、順に、

1672(11の倍数)、1673(7の倍数)、1674(6の倍数)、1675(5の倍数)

であることがわかりました。

この4つの整数から、それぞれ同じ数を引いて、

書きかえられた4個の数字が上から下へひとつずつ小さくなる連続する整数となるようにします。

ここで、後ろの3つの数に注目します。

1673、1674、1675から、それぞれ 210×□+5 を引くと、書きかえられた3個の数字は順に、2、1、0 となります。

よって、1672から210×□+5を引いた数を11で割ったときの余りが3になれば、

書きかえられた4個の数字が順に、3、2、1、0となり、条件を満たします。

ここでも、210÷11=19あまり1であることから、条件を満たすのは □=3 のときであることがわかります。

よって、元の連続する4個の整数の一番上の数字について、考えられるもっとも小さい数は、

1672-(210×3+5)=1037です。

実際に計算して確かめると、次のようになります。

1037÷11=94あまり3

1038÷7=148まり2

1039÷6=173あまり1

1040÷5=208あまり0

答え 1037

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