2015年 北嶺中学校 算数(3)

今回は、大問3と大問4を取り上げます。

大問3は、(1)が過不足算と植木算の融合問題、(2)が植木算、

そして(3)は本校の入試で初出題となるニュートン算でした。

いずれも標準的な難度で、標準札幌校会員にとっては解き慣れた解法の問題ばかりでした。

ただし、(1)をまちがえると(2)も不正解になる問題設定だったため、

(1)でミスをした受験生は、ここで大きく得点を落とすことになりました。

大問4は速さとグラフの問題でした。

「縦軸に速さ、横軸に時間をとると、移動距離が面積で表される」という性質を用いた出題でしたが、

問題文中にていねいな説明がされていたので、落ち着いて問題文を読むことができた受験生には、

それほど難しくは感じられなかったでしょう。

大問3とともに、完答を目指したい問題です。

算数に限ったことではありませんが、合格答案作成には

まず、「問題文を正確に把握(はあく)すること」が不可欠です。

現在5年生以前で、テスト中に問題の条件を読み落とすことが多い人は、

問題文の重要箇所に丸印や下線を打ちながら問題文を読み進める訓練をしましょう。

確実に正解するには計算力も欠かせません。

多少時間がかかってもよいので、しっかりと途中の式や筆算を書いて、

1回目で正解を出し切る練習を重ねましょう。

なお、問題は標準札幌校ホームページ北嶺中学過去入試問題からダウンロードできます。


大問3

(1)

面白さ☆☆  難度A

5mおきに立てるのと、8mおきに立てるのとでは、

必要な支柱の本数に37+23=60(本)の差があることになります。

1辺の長さを40m(5mと8mの最小公倍数)と仮定して、必要な支柱の本数の差を考えていきましょう。

40÷5+1=9(本)、40÷8+1=6(本)、9-6=3(本)より、1辺の長さが40mのときの本数の差は3本です。

実際の本数の差は60本で、60÷3=20(倍)になっているので、1辺の長さも20倍になります。

1辺の長さは、40×20=800(m)になり、5mおきに立てるには,800÷5+1=161(本)の支柱が必要です。

準備した支柱は、161-37=124(本)です。

答え 124本

 

(2)

面白さ☆  難度A

(1)を正解できれば、きわめて平易な問題です。

正方形の土地の周囲の長さは、800×4=3200(m)なので、

8mおきに立てるのに必要な支柱の本数は、3200÷8=400(本)です。

答 400本

 

(3)

面白さ☆☆☆  難度B

初出題のニュートン算でしたが、定番の解法がきちんと定着していた受験生にとっては、

簡単に解ける問題でした。

ニュートン算に限らず、決まった解法のある問題を確実に解けるようにするには、

先生の説明を聞いたり、テキストの解説を読むだけでは不十分です。

「何となくわかった気がする」という程度の理解では、

実際の入試で出題された時に正解するのは、ほぼ不可能です。

本番で正解するためには、ていねいにノートに解き方を書いて、自力で正解を出す練習が欠かせません。

ここでは定番の解法を2通り紹介します。

1頭の牛が1日に食べる草の量を1とすると、

1250頭の牛が80日間で食べる草の量・・・・・・1×1250×80=100000

800頭の牛が130日間で食べる草の量・・・・・・1×800×130=104000

となります。

この差の104000-100000=4000が、130-80=50(日間)で生える草の量にあたります。

1日に生える草の量は4000÷50=80となり、牛を放す前に生えていた草の量は、

100000-80×80=93600になります。

180日間で新たに生える草の量を加えて、93600+80×180=108000の草を食べつくせばよいので、

必要な牛の数は、108000÷180=600(頭)です。

(別解)

1日で減る草の量に注目します。

1250頭の牛を放すのと、800頭の牛を放すのとでは、1日に減る草の量の比は、

130:80=⑬:⑧(食べつくされるまでの日数の逆比)となります。

この差の⑬-⑧=⑤が、1250-800=450(頭)分にあたるので、①が450÷5=90(頭)分にあたります。

⑬が90×13=1170(頭)分にあたるので、1日に生える草の量は1250-1170=80(頭)分にあたります。

180日で食べつくすのに必要な牛の数は、80+1170×80/180=600(頭)です。

答え 600頭

 


大問4

(1)

面白さ☆  難度A

 

グラフから、25秒後の2号車の速さは10m/秒であることがわかります。

10m/秒=36㎞/時

 

答え 36

 

(2)

面白さ☆☆☆  難度B

 

次のように、グラフの各点に記号A~Fをつけます。

hokurei-2015-math3-1

最初はある程度、見当をつける必要があります。

40秒後までに進んだ距離を求めると、

1号車・・・・・・台形ADECの面積になるので、(20+40)×12÷2=360(m)

2号車・・・・・・三角形ADFの面積になるので、40×16÷2=320(m)

となり、進んだ距離の差は360-320=40(m)です。

 

40秒後以降は1秒間に16-12=4(m)ずつ、2号車が1号車に追いつくので、

 

2台の走行した距離が初めて等しくなるのは、40+40÷4=50(秒後)です。

答え 50秒後

 

(3)

面白さ☆☆☆  難度B

 

40秒後以降は1号車の速さは12m/秒で一定なので、

1号車が1380m進むのは40+(1380-360)÷12=125(秒後)です。

hokurei-2015-math3-2

ここで、上のようにグラフの各点に記号G~Jをつけます。

 

125秒後までに2号車の進んだ距離は、

 

(三角形ADFの面積+長方形DGHFの面積+台形GIJHの面積)になるので、

 

320+30×16+(5+16)×55÷2=1377.5(m)です。

 

よって、1号車が先にB地点を通過したことがわかります。

 

また、1号車がB地点を通過した時刻(125秒後)に、2号車はB地点まであと

 

1380-1377.5=2.5(m)の位置にいます。

 

 

答え 1号車、2.5m

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