2015年 北嶺中学校 算数(2)
今回は、大問1と大問2を取り上げます。
例年、大問1では四則計算が4題、大問2では数の性質・割合・図形などの小問が5題出題されます。
本校の算数はほぼ均等配点のため、大問1の配点が約20点とかなり大きくなっています。
計算で間違いが重なると、トータルで思わぬ低得点という結果になるおそれがあります。
制限時間が60分になってからは、それほど「いそがしい」試験ではありません。
まずは、落ち着いて計算問題に取り組み、確実に全問正解することが合格への近道です。
本年度は大問1・2ともに難問は見られず、平均的な難度の問題が並びました。
その中でも標準札幌校会員にとって、大問1の(1)や、大問2の(1)、(2)、(4)は、
テキストや講習会の教材、テスト等で何度も解いている問題でした。
ただし、大問2の(3)は「できた」と思って解答に飛びつくと、思わぬミスにつながります。
慎重に「重なり」を調べる作業力が必要な良問です。
なお、問題は標準札幌校ホームページの北嶺中学過去入試問題からダウンロードできます。
大問1
(1)
面白さ☆ 難度A
実際に、筆算で22÷7を計算すると次のようになり、
小数点以下では、142857という6つの数字がくり返すことがわかります。
22÷7=3.1428571・・・・・・、20÷6=3あまり2より、小数第20位の数字は、142857の2番目の4とわかります。
答え 4
(2)
面白さ☆☆ 難度A
そのまま7、6、5、4、3、2の最小公倍数の420で通分してもいいのですが、
分子が大きくなるので少し計算がめんどうです。
前から2つずつの分数を組にして計算する方が、楽に正解にたどりつけるでしょう。
6/7-5/6=1/42、
4/5-3/4=1/20、
2/3-1/2=1/6、
1/42+1/20+1/6 = 10/420+21/420+70/420 = 101/420
答え 101/420
(3)
面白さ☆ 難度A
特に工夫を必要とする計算ではありませんし、難度も高くありません。
落ち着いて、小数 → 分数 の変換を行って確実に正解を出しましょう。
前の( )内 ・・・・・・ 14.4=72/5、72/5×5/6=72/6=12、0.4=2/5、11/3÷2/5=55/6、12-55/6=17/6
後の( )内 ・・・・・・ 1/2÷2/11=11/4、3/2+11/4=17/4
17/6÷17/4 = 4/6 = 2/3
答え 2/3
(4)
面白さ☆☆☆ 難度B
そのまま計算してもよいですが、次のように1時間37分47秒を上回る時間の平均を求めて、
1時間37分47秒に加える解き方だと、かなり簡単になります。
(1時間37分54秒+2時間38分47秒+1時間54分55秒)÷3
=(1時間37分47秒+7秒+1時間37分47秒+1時間1分+1時間37分47秒+17分8秒)÷3
=1時間37分47秒+(7秒+61分+17分8秒)÷3
=1時間37分47秒+78分15秒÷3
=1時間37分47秒+26分5秒
=2時間3分52秒
答え 2時間3分52秒
大問2
(1)
面白さ☆ 難度A
27/55の分子、分母から同じ数をひいても、分子と分母の差は55-27=28で変わりません。
ここではまず、分子と分母の差が28で、約分すると3/7になる分数を求めます。
7-3=4、28÷4=7、3×7=21、7×7=49より、
27/55の分子、分母から同じ数をひいたあとの分数は21/49とわかります。
ひいた数は、27-21=6です。
答え 6
(2)
面白さ☆ 難度A
なしとりんご合わせて15個の値段が、4000-400×2=3200(円)以内になります。
15個全部がりんごだとすると値段は、160×15=2400(円)なので、
あと、3200-2400=800(円)の余裕があります。
りんご1個をなし1個にかえると、230-160=70(円)だけ高くなるので、
なしをできるだけ多く買うと、800÷70=11あまり30より、11個買うことができます。
答え 11個
(3)
面白さ☆☆☆☆ 難度C
カードを並べてできる3けたの整数は、次の2種類に分類できます。
(分類1) ・・・・・・ 1、2、3、5、7のうち3枚を並べてできる整数。
(分類2) ・・・・・・ 1、2、3、5、7のうち1枚と11を並べてできる整数。
(分類1)は、何度も解いているパターンです。
簡単に5×4×3=60(通り)とわかります。
(分類2)では、「重なり」を見抜く慎重さが要求されます。
1、2、3、5、7から1枚を選ぶ選び方が5通り、選んだカードと11の順序(並びかえ)が2通りずつあるので、
5×2=10(通り)とした受験生が多かったようです。
ここですぐに解答に飛びつかずに、『10通りの整数の中に同じ数はないかな』と考えられた人は、
正解にたどりつくことができたはずです。
「1と11」と並べても、「11と1」と並べても、できる整数は111で変わらないので、
(分類2)でできる整数は10-1=9(通り)になります。
よって全部で、60+9=69(通り)の整数が作れます。
答え 69通り
(4)
①
面白さ☆☆ 難度A
正六角形は、3本の対角線によって6個の合同な正三角形に分割できます。
下のように、1辺12㎝の正三角形1つを作るのには、イが9個必要です。
イ1個がア2個にあたるので、アは全部で、2×9×6=108(個)個必要です。
答え 108個
②
面白さ☆☆ 難度A
下のように等積移動すると、求める面積はウの半分であることがわかります。
4×4÷2÷2=4(㎠)
答え 4㎠