2015年 函館ラ・サール中学校 第1次入試(1)
今回は、函館ラサール中学校の第1次入試を取り上げます。
函館ラ・サール中学校は、1月に第1次入試、2月に第2次入試が行われます。
2回の入試の間隔が約1か月と大変長くなっているのが特徴です。
第1次、第2次ともに、受験生は算国理社の4教科入試、または、算国理の3教科入試のいずれかを選択します。
第1次入試は、函館(本校)、札幌、東京、大阪、中部(名古屋)の5会場で実施されます。
2015年度の受験者総数は882名、合格者総数は555名で、実質倍率は約1.59倍でした。
会場別に見ていくと、
函館会場の受験者43名、合格者3名で、倍率は約14.3倍、
札幌会場の受験者31名、合格者5名で、倍率は約6.2倍、
東京会場の受験者422名、合格者278名で、倍率は約1.5倍、
大阪会場の受験者364名、合格者259名で、倍率は約1.4倍、
中部会場の受験者20名、合格者10名で、倍率は2.0倍となっています。
東京会場と大阪会場では、例年、第一志望校の試験慣れのために、
多くの学力上位層がお試し受験をするため、道内の受験生にとっては大変せまき門となっています。
一方の第2次入試は、函館、東京、大阪、中部の4会場で実施されます。
2015年度の受験者総数は85名、合格者総数は60名で、実質倍率は約1.42倍でした。
会場別に見ていくと、
函館会場の受験者43名、合格者32名で、倍率は約1.3倍、
東京会場の受験者23名、合格者12名で、倍率は約1.9倍、
大阪会場の受験者7名、合格者6名で、倍率は約1.2倍、
中部会場の受験者12名、合格者10名で、倍率は1.2倍となっています。
第2次入試は、全国の中学入試の中でも最終盤に行われるため、
本命入試として臨む受験生がほとんどです。
道内の受験生にとっては、第1次入試に比べてはるかに合格しやすくなっています。
2015年度入試の算数の平均点は、
第1次入試では、受験者平均63.5点、合格者平均74.0点、
第2次入試では、受験者平均46.6点、合格者平均64.3点でした。
例年、問題の難度は第1次と第2次でほぼ同じなので、
この結果からも、第1次入試の受験者に学力上位層が多いことがうかがえます。
2015度の出題内容は、次の通りです。
大問1 計算問題3問,割合・数の性質の小問4問
大問2 平面図形の小問3問,食塩水・速さ(流水算)・数の性質の小問5問
大問3 場合の数
大問4 水そうに水を入れる問題
大問5 平面図形の相似・立体図形
今回は、本年度入試から、最も面白い大問4を取り上げて解説します。
(1)
面白さ☆☆☆ 難度A
最初の3分間で容器①、②、③がいっぱいになります。
その後、容器②、③からあふれた水が、
容器④、⑥には、毎分1÷2÷2=1/4(L)ずつ、
容器⑤には、毎分1/4×2=1/2(L)ずつ入ります。
容器⑤は、1÷1/2=2(分)、容器④、⑥は1÷1/4=4(分)でいっぱいになるので、
容器⑤からあふれた水が容器⑧に入りはじめるのは、
容器①に水を注ぎはじめて 3+2=5(分後) からです。
答え 5分後から
(2)
面白さ☆☆☆ 難度B
容器④、⑥がいっぱいになるのは、
容器①に水を注ぎはじめてから 3+4=7(分後) なので、
5分後から7分後までの2分間は、
容器⑤からあふれた水だけが容器⑧に毎分 1/2÷2=1/4(L) ずつ入ります。
2分間で容器⑧に入る水は 1/4×2=1/2(L) です。
その後は、容器④からあふれた水も容器⑧に、毎分1/4÷2=1/8(L)ずつ入るので、
容器⑧には合わせて毎分 1/4+1/8=3/8(L) の水が入ります。
よって、容器⑧に水が入りはじめてからいっぱいになるまでには、
2+(1-1/2)÷3/8 = 3と1/3(分) かかります。
答え 3分20秒
(3)
面白さ☆☆☆ 難度A
容器①に水を注ぎはじめて、その7分後からは、
容器④からあふれた水が、容器⑦に毎分 1/4÷2=1/8(L) ずつ入ります。
よって、容器⑦がいっぱいになるのは、
容器①に水を注ぎはじめてから 7+1÷1/8=15(分後) です。
同時に容器⑩もいっぱいになり、容器①から⑩までが全部いっぱいになります。
答え 15分後
(4)
面白さ☆☆☆☆ 難度A
容器⑦、⑧からあふれた水の量を計算しても正解を求めることができますが、
ここではもっと簡単に解きましょう。
容器①から⑩までが全部いっぱいになるのは、容器①に水を注ぎはじめてから15分後です。
当然、注いだ水の総量は15Lで、このうち容器①から⑩に入っている水が合わせて10Lです。
注いだ水と、容器①から⑩に入っている水との量の差が容器⑪にたまっているので、
その量は 15-10=5(L) になります。
答え 5L