2014年 西大和学園中学校 算数

今回は、関西有数の進学校である西大和学園中学校の問題を取り上げます。

西大和中学校の2014年度の大学進学実績では、

東大・京大合わせて96名の合格者を輩出しています。

西大和学園中学校の入試は、

算数150点・国語150点・理科100点・社会100点の500点満点ですが、

算国理の3教科で受験することも可能です。

3教科受験の場合は、算国理の合計点を5/4倍したものが得点となります。

また、4教科受験の場合は、4教科型と3教科型の点数のうち高い方の点数が得点となります。

西大和学園中学校の本校入試に先立ち、東京、東海、岡山、広島、福岡の

各会場で県外入試が実施されます。

2012年度から札幌も入試会場に加わりましたが、他の県外入試とは異なり、

札幌会場では本校入試と同じ日程・問題で試験が実施されます。

また、2014年度から女子の募集が開始され、男子180名、女子40名の定員となりました。

2014年度の本校入試の合格最低点は、男子が353点、女子が349点でした。

算数が易しくなったため、2013年度に比べて約20点上昇しました。

実質競争率は、男子が2.09倍、女子が3.29倍です。

2014年度は、標準札幌校から3名が挑戦し、見事に全員合格を達成しました。

2014度の出題内容は、次の通りです。

大問1

計算問題3問、小問5問

小問の内容は、数の性質・平均・損益算・食塩水の濃度・時間と速さです。

大問2

平面図形の小問3問、立体図形の小問2問

大問3

相似と面積比

大問4

数の性質

今回は、数の性質の良問・大問4を取り上げて解説します。


nisiyamato2014-1

特に(3)(4)を正解するには、高度な数の感覚にもとづいた、予測していく力が必要です。

(1)

難度A 面白さ☆

奇数番目のカードに書かれた数の並びをA、

偶数番目のカードに書かれた数の並びをBとします。

全体の100枚目のカードは、Bの50番目にあたるので、

書かれた数字はすぐに50とわかります。

答え 50

 


(2)

難度B 面白さ☆☆

1から50までの50個の整数の和を計算します。

1+2+3+4+・・・・・・+50=(1+50)×50÷2=1275

2550=1275×2 なので、ここでAとBはともに、1から50までの数の並びとわかります。

左手に残った50枚のカードに書かれた数字のうち、最も小さいものは51です。

答え 51

 


(3)

難度C 面白さ☆☆☆☆

Aに並ぶ100個の数字のすべてが、両どなりの数字よりも大きいことはあり得ません。

つまり、「当たり」が100個になることはあり得ないので、

ここでは「当たり」が99個になる場合があるかどうかを考えます。

Bの数字の並びは、1、2、3、4、・・・・・・、100 なので、

Bの1の前にAの2、Bの2の前にAの3、・・・・・・のようにカードを置いていくと、

「当たり」が連続します。

そして、Aの最後に1を置けば、最後の1の部分だけが「当たり」ではなくなり、

「当たり」は99個になります。

Bの数字の並びを( )をつけて表すと、次のようになります。

2、(1)、3、 (2)、4、 (3)、5、 (4)、・・・・・・、98、 (97)、99、 (98)、100、 (99)、1(100)、

Aの数字の並びの2から100までのすべての部分が、「当たり」になっています。

答え 99個

 


難度C 面白さ☆☆☆☆

100枚並べた時点でBに並ぶ50個の数字の和は1275なので、

Aに並ぶ50個の数字の和は、2746-1275=1471 となり、

Bに並ぶ50個の数字の和よりも、1471-1275=196 だけ大きくなっています。

196=98×2 なので、99=1+98、100=2+98 のように考えると、

1、2、3、4、・・・・・・、49、50 の数の並びのうち、1を99に、2を100に置きかえると、

99、100、3、4、・・・・・・、49、50 となり、X=2746 になります。

このとき、100枚目までの数字の並びを、Bの数字に( )をつけて表すと、次のようになります。

99、(1)、100、 (2)、3、 (3)、4、 (4)、5、・・・・・・、48、 (48)、49、 (49)、50、 (50)

ここまでで「当たり」の部分は、Aの数字の並びの99と100の2個だけです。

101枚目以降も同様の並べ方を続けて、先ほど置きかえた1と2をAの数字の並びの最後に置くと、

次のようになります。

51、(51)、52、 (52)、53、 (53)、・・・・・・、97、 (97)、98、 (98)、1、 (99)、2、(100)

101枚目以降、「当たり」の部分はひとつもありません。

よって、「当たり」の部分は最も少なくて2個です。

なお、このときのAの数字の並びのうち、99と100、1と2の順序をそれぞれ逆にしても、

同じ結果になります。

答え 2個

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