2014年 灘中学校 算数(2)

今回は灘中学校の2日目を解説します。

2014年度入試での算数2日目の結果は、受験者平均が49.7点、合格者平均点が63.9点でした。

昨年度に比べて受験者平均は約5点、合格者平均点は約7点の下降となり、

2日目だけでみると過去5年間で2番目に低い点数でした。

算数2日目は大問5題の形式が定着しています。

2014年度の総解答数は18題でした。

1日目とは異なり、ほぼすべての問題で、答え以外の文章や式、図など「答えを導く過程」を書く必要があります。

途中の過程が正しく書かれていれば、正解ではなくても部分点があたえられます。

出題分野は多岐にわたりますが、必ず「立体図形」の問題が出題されるのが大きな特徴です。

また、「数の性質」「場合の数」「速さ」「平面図形」の問題も頻出です。

高度な処理能力、発想力、立体のセンスが要求される良難問が多く、

日頃から相当ハイレベルの演習量が要求されます。

今回は、2日目の中で特に面白い問題を、場合の数・数の性質の分野から1題ずつ取り上げます。

かなり高いハードルではありますが、うまく着眼点を見つけられれば、完答することも可能です。


2014-nada-1

(1)

難度C 面白さ☆☆☆☆

例に示された、縦30㎝、横20㎝の壁のタイルのしきつめ方をAとします。

すると、縦30㎝、横40㎝の壁で、下のように左右にAが2つ並ぶようなしきつめ方は、

3×3=9(通り)あります。

2014-nada-2

左右にAが2つ並ぶ以外のしきつめ方は、下の2通りです。

※このしきつめ方をBとします。

2014-nada-3

9+2=11(通り)

答え 11通り

 

(2)

難度D 面白さ☆☆☆☆☆

縦30㎝、横60㎝の壁で、下のように横にAが3つ並ぶようなしきつめ方は、3×3×3=27(通り)あります。

2014-nada-4

また、下のように横にAとBが並ぶようなしきつめ方は、それぞれ2×3=6(通り)ずつあります。

2014-nada-5

これら以外のしきつめ方は、下の2通りです。

2014-nada-6

27+6×2+2=41(通り)

答え 41通り


2014-nada-7

(1)

難度A 面白さ☆

6×6=36、36÷14=2あまり8、7×7=49、49÷14=3あまり7、

8×8=64、64÷14=4あまり8、9×9=81、81÷14=5あまり11

答え (順に)8、7、8、11

 

(2)

難度B 面白さ☆☆☆

(1)より、「操作」を施しても値が変わらないDは、0、1、7、8の4通りあります。

4桁の数字がすべて、0、1、7、8のいずれかであるような整数を考えればよいので、

(千の位には0がこないことに注意すると)3×4×4×4=192(個)あります。

答え 192個

 

(3)

難度D 面白さ☆☆☆☆☆

(1)より、「操作」を施して値が小さくなるDは、4だけです。

また、D=5、9のときは「操作」を施すと11が作られて桁数が増えてしまうため、

4桁の数字のいずれかに5または9が含まれると、「操作」後の値が必ず大きくなります。

「操作」後の値が小さくなるような4桁の整数には、

4桁の数字のいずれかに必ず4が含まれるので、

4の位置で場合分けして考えます。

① 4□□□・・・□ は0、1、2,、3、4、6、7、8のいずれか。

8×8×8=512(個)

② △4□□・・・△ は1、7、8のいずれか。□は0、1、2、3、4、6、7、8のいずれか。

3×8×8=192(個)

③ △△4□・・・△ は0、1、7、8のいずれか。□は0、1、2、3、4、6、7、8のいずれか。

3×4×8=96(個)

④ △△△4・・・△ は0、1、7、8のいずれか。

3×4×4=48(個)

①から④を合わせると、512+192+96+48=848(個)あります。

答え 848個

 

(4)

難度(2)(3)が正解ならばA 面白さ☆☆☆

ここまでくれば、(4)はオマケのようなものですね。

4桁の整数は全部で9000個あるので、そこから(2)、(3)で求めた整数を除いた数は、

「操作」後の値が大きくなります。

9000-192-848=7960(個)あります。

答え 7960個

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