2014年 北嶺中学校 算数(3)
今回は、大問3と大問5を取り上げます。
大問3は割合(損益算)、大問5は平面図形(折り返し)の問題です。
どちらも難度はそれほど高くありません。
5年生までの学習内容を理解していれば、完答することが可能です。
ただし、大問4(解説済み)の正答率が低く、得点差があまりつかなかったことを考えると、
この2問が合否を分けたと言えるかもしれません。
問題は、標準札幌校のホームページの北嶺中学校過去入試問題からダウンロードできます。
大問3
難度B 面白さ☆☆
問題文2行目の「同じ数だけ仕入れ」の文章を確認して、
頭にとどめておくことが、正解のカギをにぎります。
(1)さえ正解できれば、問題の導入に沿って解き進めるのは、難しくありません。
(1)
お弁当1個の売り値をA円、サンドイッチ1個の売り値をB円、
また仕入れる個数をそれぞれC個ずつとします。
2日目の売り上げ設定額は、最初の設定額よりも78000-68400=9600(円)だけ少ないので、
50×C+30×C=9600
という式が成り立ちます。
80×C=9600、C=9600÷80=120(個)
答え 120個
(2)
お弁当もサンドイッチも1個あたりの利益は100円で、120個ずつ仕入れているので、
全部売れた場合の利益は、100×120×2=24000(円)です。
よって、仕入れ値の合計は、78000-24000=54000(円)となります。
以上より、2日目の利益は68400-54000=14400(円)です。
答え 14400円
(3)
お弁当1個とサンドイッチ1個を合わせて1セットと考えると、
120セットの売り値の合計は、78000円です。
よって、1セットの売り値は78000÷120=650(円)です。
答え 650円
(4)
(3)から、A+B=650・・・① という式が得られます。
次に、1日目に売れ残ったお弁当20個と、サンドイッチ10個の売り値の合計が、
78000-67600=10400(円)であることから,
A×20+B×10=10400 全体を10で割って、A×2+B=1040・・・② という式が得られます。
②-①より、
A=1040-650=390(円)、B=650-390=260(円)
とわかります。
それぞれの利益が100円ずつなので、仕入れ値は、
お弁当1個が390-100=290(円)、
サンドイッチ1個が、260-100=160(円)です。
答え お弁当290円 サンドイッチ160円
大問5
難度B 面白さ☆☆☆
(1)
等しい辺や等しい角に印をつけて、
二等辺三角形や正三角形を見つけることで角度が求められる問題があります。
本問はその典型的な問題です。
①
上の図では、○+×=180-90=90(度)なので、
角ア+角イ=180+90-90×2=90(度)です。
②
角ウと角エの大きさの和は、三角形MBAと三角形DACの内角の和と、
角アと角イの和との差を2で割れば、求められます。
(180×2-90)÷2=135(度)
答え ① 90度 ② 135度
(2)
OA、OBを結びます。
さらに、円の中心OからABに垂線OCを引き、OCの延長と円の交点をDとします。
ABを折り目として折るとOとDが重なるので、OC=DCとなります。
また、OA、ODはともに円の半径なので、OA=ODです。
よって、OA:OC=2:1となり、三角形OACは正三角形を半分にした形の三角形
(受験生にはおなじみの三角形です)になります。
角AOC=60(度)、同様に角BOC=60(度)となり、
角AOB=60×2=120(度)となります。
以上より、弧ABの長さは15×2×3.14×120/360=31.4(㎝)です。
答え 31.4㎝
(3)
OB、OCを結ぶと、(2)と同様に考えて角OCD=角OBA=30(度)とわかります。
さらにABとCDの交点をEとします。
四角形OCEBの内角の和が360度
(このように180度を超える角がある四角形でも、内角の和はやはり360度です)
であることから、角COBの大きさは360-108-30×2=192(度)です。
弧BCに対する中心角は、360-192=168(度)となり、
弧BCの長さは、15×2×3.14×168/360=43.96(㎝)です。
答え 43.96㎝
さて、(1)と同様の手法で角度を求める問題が、
2007年度に、北嶺中学校の入試問題(算数)大問5でも出題されています。
(1)
難度A 面白さ☆☆☆
「い」の角度は、180-(20+60+50)=50(度)です。
このとき、角BAC=角BCAより、
BA=BCという関係に気付いて印をつけておくことが、とても大切です。
答え 50度
(2)
難度B 面白さ☆☆☆
ここからは、図の中にどんどん角度を書き込んで、
二等辺三角形や正三角形を発見していきましょう。
三角形BCEにおいて、角CBE=20+60-60=20(度)なので、
角BEC=180-(20+30+50)=80(度)です。
そして、角BCE=角BECより、BC=BEとわかります。
(1)よりBA=BCとわかっているので、BA=BEとなり、
三角形ABEは、1つの角が60度の二等辺三角形、すなわち正三角形になることがわかます。
角AEB=60度なので、「え」の角度は180-(80+60)=40(度)です。
答え 40度
(3)
難度B 面白さ☆☆☆
ここまでで、BC=BE=AB=EAとわかりました。
次に、三角形DBEに注目すると、
角DBE=60-20=40(度)、
角BDE=180-(40+40+60)=40(度)なので、
角DBE=角BDEとなり、BE=EDとわかります。
よって、EA=EDとなり、三角形EADは二等辺三角形とわかります。
角EDA=角EADより、「あ」の角度は(180-40)÷2=70(度)です。
答え 70度